池田美樹, 池田美樹のLOVE♥ CITY WALK祝! オープン5周年。好きです、六本木ヒルズ。

(2008.04.28)

編集者として長年、ニューオープンのビルやエリアの取材を担当して、数々の施設の紹介ページを作ってきたけれど、ここまで象徴化された施設はなかった。六本木ヒルズが4月25日に5周年を迎えた。
「ヒルズ族」という言葉がITや金融系の若い成功者を表す言葉として世間を賑わせ、六本木ヒルズにオフィスを持ったり住まいを構えたりすることがステイタスという時期もあったことは記憶に新しい。その後、様々なことが起きて、その言葉もいつの間にか人の口に上らなくなった。

私もヒルズ族に招かれて、レジデンス棟の中のパーティに出かけたことがある。そこでは、そういう場に行き慣れた回遊魚のような男女と、どう振る舞えばいいのかわからず戸惑う私のような人々にはっきり二分されており、居心地が悪かった。当然ながら、何かの出会いにも発展しなかった。とはいえ、ここで買い物をしたり、カフェでお茶を飲んだり、食事をしたりすることはずっと好きだ。映画も見るし、美術館にも行く。アカデミーヒルズで1回完結型のスクール「アーテリジェントスクール」に参加することもある。森タワー52階の展望台、東京シティビュー(4月26日に、屋上が「東京スカイデッキ」として一般公開され、展望台から行けるようになった!)では夜景を楽しんだりもする。六本木ヒルズは、大人の女性が落ち着いて楽しめる、使い勝手のいい都心の遊び場なのだ。
5周年ということで、この3月から5月にかけては、ショップやレストランが続々とニューオープンやリニューアルする。それらのオープニングパーティも様々に開かれて、いくつか出席してきた。新しいというのはそれだけで魅力があるものだけれど、私が注目したいのは、この5年間ずっと続いている店だ。

そのうちのひとつは、TORAYA CAFÉ。老舗和菓子店、虎屋が開いた、和と洋の垣根を越えたもうひとつのお菓子を提案するこのカフェでは、和菓子の伝統的な素材「あん」をベースに、これまで食べたことのない味のお菓子を提案している。なかでも私の大好物の定番「あずきとカカオのフォンダン」は、あんとチョコレートを組み合わせ、シナモンとポートワインの風味を効かせた焼き菓子。テイクアウト用には大きなサイズしかなかったけれど、この4月18日、ひとりでも気軽に楽しめるスモールサイズが登場したのが、私には実に大きなニュースである。

もう一軒は、ジョエル・ロブション。ただし、レストランであるラトリエ ドゥ ジョエル・ロブションではなく、ブティックのほう。夜の9時半まで焼き菓子やパンを販売しており、なかにフランス・ブルターニュ地方の伝統的な焼き菓子「クイニーアマン」があるのだ。ブームが去った今、作っている店も少なくなったけれど、ここにはどっしりおいしいこの焼き菓子が、レギュラーでラインナップされているのが本当にうれしい。

ところで、ラ ブティック ドゥ ジョエル・ロブションのクイニーアマン、六本木店では中に何も入っていないプレーン、恵比寿店ではリンゴのコンポート入り、と、違いがあること、ご存じでしたか? 私はつい先日、そのことに気がついて、うれしくなった。
 
このゴールデンウイーク、改めて六本木ヒルズに出かけて、自分なりの新しい発見をしてみるのもおもしろいかもしれない。

TORAYA CAFÉ 5周年記念パーティ。
会場は大賑わい
5周年を記念し、定番「あずきとカカオのフォンダン」を新しいスタイルでいただく「フォンダンフェア」を6月中旬まで実施中。写真はそのうちのひとつ「アイスクリーム フォンダン風味」