女性のための、元気になれる俳句73 選・如月美樹 寒の内このやうな日のあることを 星野立子

(2010.01.12)
 

1月5日か6日の小寒の日から節分、つまり立春の前日までを寒の内という。本格的な寒さの時期だ。作者は「このような日」が来るだろうということを、あらかじめ予想していたように思われる。漠然とした予感が、ついに現実になってしまったのだ。折しも寒の内。どのようなことが起こったのか、ただの鑑賞者である私達にはわからないのだけれど、望外なことであったに違いない。しかし、少なくとも表面上は淡々と受け止めている。そこにいかなる感情があろうとも、表に見せないのが女の強さ。そう、女は日常の中に強さを秘めている生き物なのだ。表に見せるばかりが能じゃない。『句日記1』(1973)。