アートニュース Fromミュージアムカフェ – 7 - 国内外の注目作家が集結! 『アーティスト・ファイル2009 現代の作家たち』

(2009.03.12)

昨年に続き2回目の開催となる『アーティスト・ファイル』は、国立新美術館の学芸スタッフが日頃のフィールドワークの中で注目する作家たちを取り上げる企画展。各作家が個展形式で思い思いの空間で展示をしていて、今回は9名が参加しています。

作家たちの年齢は30代前半~50代後半、性別も活躍する国も様々。またジャンルも平面、立体、映像、インスタレーションと幅広く、一人ひとりの個性の競演も見ものです。

齋藤芽生 『徒花図鑑 花形冠と黒衣蜘蛛』2008年 個人蔵 撮影:加藤健、写真提供:ギャラリー・アートアンリミテッド

内覧会にお邪魔させていただき、とても印象的だったのは齋藤芽生さん。日本的なモチーフを彷彿させる細密画を描く齋藤さんの作品世界には、どこか女性的な毒気があります。そんな齋藤さんの作品のひとつに、『四畳半みくじ』というのがあります。真っ赤なランジェリーが飾られた異質な空間にあるおみくじを引くと、毒っ気たっぷりなメッセージが書いてあります。

ちなみに私の引いたおみくじにはでかでかと
「じゃがいもの芽の毒で男を殺せはしないかしら」
と書いてありました……。

会期中は200円でおみくじが引けるので、ぜひチャレンジしてみてください!

さらに今回は会場の外にも作品があります。
平川滋子さんの作品は「光合成」がテーマ。美術館外の木々に数千個の円盤をつけ、それらが太陽光線を受けて乳白色から紫色へと美しく変化していくというインスタレーションです。美術館開館時間には紫色をしていますが……夜になると真っ白に変化しています。夜の様子は会場で映像が流れているので同時に観賞もできます。

それぞれの作家が思い思いの展示を繰り広げています。この機会に、お気に入りの作家を見つけにいくのはいかがでしょうか。
 

『アーティスト・ファイル2009 現代の作家たち』
期日:2009年3月4日(水)~5月6日(水)
会場:東京・国立新美術館
料金:1000円(一般)ほか
問い合わせ:ハローダイヤル Tel.03-5777-8600

ぺーター・ボーゲルス 『統一場』 2006年 ビデオ・インスタレーション
石川直樹 『Graveyard/Ilulissat』》 2006年
宮永愛子 『凪の届く朝』(部分) 2008年 (釜山ビエンナーレ2008) 撮影:宮永愛子 写真提供:ミヅマアートギャラリー