女性のための、元気になれる俳句14 選・如月美樹 〜月光写真まずたましいの感光せり 折笠美秋〜

(2008.08.25)
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 季語は「月光」。日光写真に感光するのは形あるものだけれど、ひそやかな月光だったら、目には見えないもの、それもまず心から感光するのかもしれない。愛も哀しみも恐れも喜びも、すべて内包した美しい魂を、人はそれぞれひとつずつ持っている。
 作者は後年、難病の中にあって、病床で目と唇だけを動かし、俳句を作りつづけてきた人。澄んだ視線が、わたしたちの中に直接届いてくる。掲句初出『虎嘯』(1984)。