『ダカーポ特別編集・今年最高の本〜BOOK OF THE YEAR 2008〜』はこうしてできた!

(2008.12.15)

今回はとにかく1冊まるごと「本の特集」ができるとあって、スタッフからの企画も山のように寄せられました。その中で絶対外せない定番企画をセレクト。メインは「新聞・雑誌の書評担当者の本当に面白かった本」に決定。

読者投票のランキングも面白いけど、読書量が少ないと、どうしても売れた本に偏ってしまいがち。その辺、広く新刊をチェックしている書評担当者のセレクトは、やはり本好きをうならせるラインナップ。

前年、ダントツで「悪人が一位に輝いたが、今年は粒ぞろいの激戦に。僅差で一位に輝いたのは、あのN木賞を辞退して話題になったあの人!

ジャンル別ベストテンは、それぞれのジャンルで誰からも一目置かれる選者に依頼。良書、奇書が入り乱れる盛り上がりを見せました。

今年、赤丸急上昇の作家さんにも本を薦めていただこうと、まず話を伺ったのは「田村はまだか」「タイム屋文庫」などで注目を集めた朝倉かすみさん。

続いて、文学賞に応募し続ける苦行を自分に課した結果、4つの賞に応募して角川ホラー大賞をはじめ、4つとも受賞してしまった奇跡の新人作家・真藤順丈さん。

『ダカーポ特別編集・今年最高の本〜BOOK OF THE YEAR 2008〜』

最後はデビュー作『告白』がいきなりベストセラーになり、今年のミステリー界の話題を一手にさらった湊かなえさん。

「NHKの『週刊ブックレビュー』が本好きには人気ですよ!」
の声に、さっそく収録におじゃま。

児玉清さんの博覧強記ぶりに感嘆し、中江有里さんの年間200冊という読書両にびっくり!

「本といえば、書店の現場スタッフも外せません」
いつも本を売っていただいている書店スタッフのお勧め本も、今回は大きくページを割かせていただきました。

そんなときに起こったのが世界的大恐慌。
本の中煮詰まっている英知をいまこそ学ぶべき!
そう考えて作ったのが「格差問題」「大恐慌」「異常犯罪」など、現代の焦点となっているテーマを知る10テーマ100冊。文庫本は自社にプラスして他者も勧めていただくという趣向も加え、この人が推薦すると本が売れるというアルファブロガーの推薦本も押さえました!

いやー、本って語り出すと止まりませんね。
ということでごく個人的に、編集しながら私がどうしても読みたくなった本ベスト10を紹介します。

 

 

編集・小井沼の「編集しながら私がどうしても読みたくなった本ベスト10」

 

1 サイゴン・タンゴ・カフェ
「女子読み恋愛小説」で文句なしの1位! さっそく読みました。文章といい、込められたエピソードといい、後に残る余韻といい、すばらしい! ベトナムに強烈に生きたくなりました。
2 チャイルド44
とにかく面白いと、児玉清さんはじめ多くの方が推薦。一気に読む時間をつくって読みます!
3 告白
女って恐い、でも面白い。そんな声にさっそく読みました! いやー、ここまでしますか。ある意味後味の悪さがすがすがしいです。
4 テンペスト
佐藤優さんが激賞! とにかく長い、でも面白くて辞められなくなるという、拷問のような傑作らしい。正月読めるかなー!
5 見知らぬ場所
インド系アメリカ人作家の作品。作家の朝倉かすみさんが「今年はこの1冊。以上!」という最高の賛辞を贈った1冊。ハナコウエストの書評担当者も「もったいないから少しずつ読みました」とのこと。じっくり浸りたい。
6 BOX!
とにかくボクシングシーンが面白いと、児玉清さん。書評担当者も複数推薦していて、魅かれました。
7 完全恋愛
ベテラン作家が別名義で書き下ろしたミステリー。最後の10ページにカタルシスが、という情報に興味津々!
8 恋と股間
隠れた名著「ヤボテンとマシュマロ」の杉作J太郎氏の新作。告白してふられても「まだ野球でいえば1回裏。しつこく繰り返せば相手も疲れる!」という恋愛論に爆笑!
9 僕は漁師になった
なんか、漁師になった若者の話らしい。獲物も自分で捌くらしい。
10 アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない
盟友アメリカのことを私たちは何も知らないのかも。アメリカ社会の生々しい実態がわかるとかで注目です!
番外・それからの海舟
勝海舟の江戸開城語の話らしいが、帯の「此の本ほんたうにおもしろいですよ」という阿川弘之さんの推薦文が秀逸!