女性のための、元気になれる俳句45 選・如月美樹 家深くゐて花時の素顔かな 長谷川双魚

(2009.04.06)
 

「花」といえば「桜」をさすのが季語の決まりごと。桜という花が日本人のこころに深く関わってきた証だといえる。とはいえ、花は桜、となったのは平安時代以降のことで、それまでは花といえば梅のことだったのだとか。
 さて、「花時」は、桜の時期のこと。この頃は、浮かれ気分で誰しもふらりと外に出たくなるものだ。しかし掲句は、花時にも関わらず、家の奥深くにいる人をとらえた。作者のことなのか、誰かほかの人なのか。
 普段どおりの素顔も、いつもより美しく見える。今はまさに、そんな季節だ。