アートニュース Fromミュージアムカフェ – 18 - 渋谷のど真ん中・たばこと塩の博物館で人気イラストレーターの競演! 『イラストレーター170人が描く「わたしの句読点」』

(2009.06.11)

東京・渋谷のど真ん中にある「たばこと塩の博物館」。
たばこと塩にまつわる資料4万5千点以上を所蔵している同館で6月6日から開催されているのは、東京イラストレーターズ・ソサエティ(TIS)とのコラボレーションで生まれた展覧会。『わたしの句読点』というタイトルの通り、生活の中の“一服”や“一息”などの瞬間をイラストレーター170人が独自の視点で切り取った作品が並びます。

安西水丸 作 『A Day in The Life』

生活の中の「、」や「。」……あなただったら、どんな瞬間を想像しますか? 今回の展覧会は”わたしの句読点”をテーマに若手からベテランまで、日本が誇る170人ものイラストレーターが40×40センチという同じサイズのまっさらな紙の上に表現した作品を展示しています。たばこと塩の博物館が長年キーワードのひとつとして収集や展覧会テーマに掲げている”嗜好品”を軸に、たばこ・お酒・珈琲・お茶をモチーフとして、それらを楽しむひとときが描かれています。

20代の若手から上は70代まで、ありとあらゆる作風の作家が参加しています。それぞれが“わたしの句読点”というテーマにやりがいを感じ、独自の視点で作り上げた1枚1枚を発表、ひとりひとりのストーリーが溢れています。そして今回はその全てが描きおろし!

展示作品にはあっと驚くエッセンスが隠されています。二宮由希子さんの作品『けむりの文学史』には、4人の男性が描かれています。それぞれに葉巻やたばこをくわえているのは、森鴎外・芥川龍之介・吉行淳之介・中島らも。文学史に名を残す名作家たちですが、年代はバラバラ。ほぼ30年づつ歳の離れた作家を描くことで、たばこを通じた時代性も1枚の絵からうかがうことができます。名作の横にはたばこの煙が……なんだかドラマチックなワンシーンが頭に浮かんできますね。

また、それぞれの作品には、作家ご本人からのコメントが添えられています。どんな気持ちで作品を描いたのかを知ることができると同時に、見ている人自身の“わたしの句読点”を探してもらえたら……というイラストレーターからの想いが詰まっています。

会期中はトークショーも開催。現役の人気イラストレーターさんの生の声が聞ける貴重な機会です。ぜひ足を運んでみてください。

 

『イラストレーター170人が描く
「わたしの句読点」』

期日:2009年6月6日(土)~7月5日(日)
会場:東京・たばこと塩の博物館
料金:100円(一般)ほか
問い合わせ:たばこと塩の博物館 03-3476-2041
http://www.jtnet.ad.jp/WWW/JT/Culture/
museum/WelcomeJ.html

二宮由希子 作 『けむりの文学史』
上田三根子 作 『SPODEのマグカップ』
花くまゆうさく 作 『工員の一服』
ごとうえみこ 作 『子の刻』