土屋孝元のお洒落奇譚。冬は柚子、初夏は枇杷、秋は葡萄に柿、 絵に描く果物について。

(2015.01.27)
佐藤錦とアメリカンチェリー。さくらんぼと赤いフルーツ 水彩で赤いフルーツを描いたものです。© Takayoshi Tsuchiya
佐藤錦とアメリカンチェリー。さくらんぼと赤いフルーツ 水彩で赤いフルーツを描いたものです。© Takayoshi Tsuchiya
柚子は画題にも向いています。

冬は柚子、初夏は枇杷、夏はメロンに西瓜、秋は葡萄に柿、絵に描くものは沢山あります。

料理の香り付けやアクセントに冬至の日に柚子湯につかると無病息災になるとか、日本には、このような風俗習慣がいろいろと残り、また、地方によっても微妙に違います。

お正月の松飾りや鏡餅、ひな祭りや、端午の節句、今では子供の日ですね、の菖蒲湯、七夕、お盆、朝顔市、ほおづき市、数えればキリがないほどの行事や縁日、お祭りがあります。日本人が四季に敏感なのは、このためなのかなあと改めて思います。

柚子は画題にも向いていて絵に描いてもよし、暖かい柚子湯も冷たいジュースも美味しいものです。

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先日、日本橋に出かけ、帰りに『千疋屋総本店』にて美味しい洋梨を食べました。たしか、ル・レクチェとか?フランス原産でラ•フランスより外観が美しく、熟成にはモーツァルトを聴かせているようです。栽培が難しい品種で 今では、フランス本国では栽培していないとか。日本の農家はこの例を見ても、すばらしい仕事をしています。

他にも千疋屋総本店で あまりにも有名な桐箱入りマスクメロン、一パック1万円のイチゴやみかん、柿、葡萄、あんぽ柿もありました、みな産地から選ばれ千疋屋総本店のバイヤーの厳しい眼にかない、綺麗で美しく、食べても美味しいものが揃っていました。何事にもこだわり、工夫して美味しく、美しい品種を改良し育てる、日本が世界に誇るものの一つだと思うのですが、いかがでしょう。

洋梨ル・レクチェとラ・フランス。ル・レクチェは熟成すると綺麗に黄色くなります。ラフランスとの違い。© Takayoshi Tsuchiya
洋梨ル・レクチェとラ・フランス。ル・レクチェは熟成すると綺麗に黄色くなります。ラフランスとの違い。© Takayoshi Tsuchiya
 
こんなに美しくて美味しいくだものがいっぱい!

個人的にもデコポンは好きで題材にも使います。柑橘類では温州みかん、伊予柑、金柑、夏蜜柑、文旦、他にも知らない柑橘類が沢山あるのでしょう。

イチゴなら最近流行りのサンベリーと言う大きなイチゴ、博多とよのか、栃乙女、アマオウ、女峰……これもまだまだあるようです。りんごなら、サンフジ、つがる、むつ、紅玉、今さらながら、こんなに美しくて美味しいくだものがある国に暮らしていることに感謝をしなければなりません。

これからも絵の題材にして描いていきたいものです。

絵にする時のコツ、どう描くとそれらしく見えるかですが、さくらんぼを水彩で描く場合は、艶のある立体感を出すこと。それには赤の色が濁らないようにすることとその赤の反対色を使うことでしょうか。

洋梨はフォルムです。このフォルムが描ければ完成します。

そしてデコポン。これも同じくフォルムが重要です、とくに盛り上がるヘタの部分が描ければ完成します。

デコポン。柑橘類でも好きな果物です。© Takayoshi Tsuchiya
デコポン。柑橘類でも好きな果物です。© Takayoshi Tsuchiya