女性のための、元気になれる俳句18 選・如月美樹 〜秋の夜の指を祈りの型に組む 横山房子〜

(2008.09.22)
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 これから祈ろうとしているのだろうか。しかし、ふと見た自分の指が、祈りの形だった、とも思える。長く静かな秋の夜。そうと意識しないうちに祈りが始まっていたのかもしれない。
 意志的であろうがそうでなかろうが、指を組み合わせたときに、すでに祈りは始まっている。自分のために、誰かのために。掲句初出『背後』(1961)。