アラン・レネ監督遺作『愛して飲んで歌って』試写会に5組10名様ご招待。
(2015.01.05)当選者発表
たくさんのご応募ありがとうございます!
千葉県 りんごさん
埼玉県 チャンのすけさん
東京都 1869ペリーさん
東京都 ぷよぷよえぶりでいさん
神奈川県 たまには当選したいむびこさん
91歳で逝った名監督の辿り着いたメッセージ
『愛して飲んで歌って』
『二十四時間の情事』(’59)、『去年マリエンバートで』(’61)の透徹した美学、『お家に帰りたい』(’89)、『六つの心』(’06)の人間観察眼、皮肉のきいたエスプリ、素朴なギャグ……2014年3月惜しまれながらも91歳で失くなったアラン・レネ監督のこれまでの作品の要素がギュッと凝縮された『愛して飲んで歌って』。
原作はイギリスの劇作家アラン・エイクボーンの『Life of Riley』(お気楽な生活)。イギリス ヨークシャーで人生も後半、それでも毎日を謳歌している3組の男女。共通の友人、ジョルジュが不治の病で、余命がいくばくもないことを知った彼らが巻き起こすおかしくて、ちょっとビターな人間スケッチだ。
ベケットの戯曲『ゴドーを待ちながら』さながら登場しない話題の人物ジョルジュをめぐって、女たちはかつての恋心を再燃させたり、仲間内で練習する芝居で共演 ちょっといい感じのジョルジュに誘惑されたと思い込んでみたり。男たちは泣いて心配したり、ジョルジュに揺れる妻にとまどったり。
若かりし頃ジョルジュと付き合っていたというカトリーヌをレネ監督の愛妻にしてミューズであるサビーヌ・アゼマ。カトリーヌの夫で医者の夫コランをイポリット・ジラルドが演じる。ジョルジュの親友のジャックにはミシェル・ヴュイエルモーズ、その妻でジョルジュに惹かれていくタマラにカロリーヌ・シオルが扮している。
死にゆく男を中心に、描かれる男女はいくつになっても秘密が守れないし、モテたいし、モテてると思いたい。微妙な見栄の張り合い、せめぎ合い……イギリスの田園風景と人気バンドデシネ作家ブルッチによる書き割り美術を背景に、マーク・スノウによる楽しい音楽、抜群のセンスと熟練した会話術で描き出す。当代随一と言われた映画的手腕をこの目に焼き付けたい。
人生はいつか終わってしまうが『愛して飲んで歌って』、楽しんでこそである。その終わりの際には、潔く次世代に引導を渡せる余裕を、というレネ監督の最後のメッセージ。じっくりと味わってほしい。
『愛して飲んで歌って』一般試写会
日程:2015年2月6日(金) 開場18:30/開映19:00
会場:シネマート六本木 港区六本木 3-8-15-3F 六本木駅3番、5番出口徒歩2分
『愛して飲んで歌って』
2015年2月14日(土)岩波ホールほか全国順次ロードショー
出演:サビーヌ・アゼマ、イポリット・ジラルド、カロリーヌ・シオル、ミシェル・ヴュイエルモーズ、サンドリーヌ・キベルラン、アンドレ・デュソリエ
監督:アラン・レネ
原案戯曲:アラン・エイクボーン『Life of Riley』(お気楽な生活)
2014年 / フランス / 108分 / カラー / シネスコ / 5.1ch
原題:Aimer, boire et chanter
配給:クレストインターナショナル
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