さむらいペンギン 05 俺様思うに——

(2012.02.13)

◆05 「俺様思うに——」

宇宙空間——
無に等しい、無限の静寂。
その静寂を切り裂くように……
ゴゴゴ。

 うわぁぁぁ!

「遅刻や! なんでママ、起こして
くれへんねん! 今日の体育は!
ドッチボールやのにーぃ! 」

 昨夜。メカジキとの死闘。
その疲れでモーパッサンは、寝坊し
てしまったのだ。

上空2000m——
ゴゴオ。

上空200m——
ゴゴゴ。

上空20m——
ゴゴゴ。

着地——
ポン。

プチプチ高校——
 竹刀&ナタリーちゃんのハートを
ゲットするため!
仮病という頭脳プレイでチャンスを
伺う……プチ高のイケメンペンギン、
それが俺、シゲロウ。

プチプチ高校では——五十匹以上
のペンギンが、流氷に突き刺さった
伝説の竹刀・米闘勉(べいとーべん)
を引き抜こうと四苦八苦……
だが、どいつもこいつもヘッピリ腰!
まったく、抜けそうにねえ。
 しかし!
俺様、シゲ様は見逃さねえ!

連中が抜こうとするたびに、流氷に
少しづつヒビが入っているというこ
とを……
ここは、最後まで粘るのがベスト!
それまでに、秘策を考えねば……

「はい、次はマックス君」
と、アレハンドロ先生。

俺様思うに——マックスの野郎、
竹刀を抜く前に、ヒナ毛を抜け!

「次、ミッシェル君」

俺様思うに——ミッシェルのチビ助。
手が届いてねーし、絶対無理!

「次、モンタン君」

俺様思うに——モンタンの……

屁は……臭ぇ。

「次…最後クサッ、ロイーズ君!
あっ。ロイーズ君は、お婆ちゃんが
お亡くなりに……それはそれは。
では、これで——」

「はい!
     アレハンドロ先生!」

「どうしたんですか、シゲロウ君」

「昨夜、遅くまで勉強をしていたの
で、体調が良くありませんでしたが
しばらく休んだので、体調が良くな
りました。僕も参加します!!」
俺……名演技(泣)

「大丈夫ですか? シゲロウ君。
それでは、挑戦してください」

 やっと、俺様の出番!
常識を逸脱する!
それが俺様、シゲ様!!

腕よりも脚の方が——
     強いはず!!

俺様思うに——
みんな、この格好良さに……
ビビってるな!!
ナタリーちゃんも……
釘付けじゃねーか!
いくぜ!!

終わった……