さむらいペンギン 07 運命のジャジャジャジャーン

(2012.02.27)

◆07「運命のジャジャジャジャーン」

デェマ校長が差し出した本——
”楽しい剣道”。
それを見て、家に帰った? 
自由なペンギン、モーパッサン。

  
         
    ……

——5分後
 バタン!
「ただいまーぁ!」

「ハアハア……デェマ先生!
         これ!!」

「ハア…こ、これ。
”楽しい剣道”のハア…表紙のやん…
ハアハア…昨日……ンフゥ。
海に飛び込んでぇ……
メカジキに襲われて……
死ぬぅハアハア…
僕がこれを拾って…ハア。
メカジキがバーンって…って襲って
きたから……バーンって、これ。
受け止めたんや…ハア…
そいでバコーンって!
百回ふられたから……メカジキを…
ハ、ハア…
バーンって百回殴ったった…ハア」

「ハァ〜ほんでぇ。
ナタリーちゃんにぃ……
話そうと思って…これ……
ハアハア…ハア…証拠やし…
家に持って帰ったら…
ママがヘアーを…ハアハア……
クルッて……こうこう」

汗と吐息が生みだす、モーパッサン
という名のカオス。

そのカオスを受け取るデェマ。
「うむむ…む…」

 「はっ   」

「ユーは昨日、海でメカジキに襲わ
れたんじゃなぁ……
その時、これを見つけて、メカジキ
の攻撃を、これで受け止めたんじゃ。
      なるほど……それで、
          ここが破損し
           とるんじぇ。

そしてこいつでメカジキを、
100回ブン殴ったんじゃな……
モーパッサン、ユー……無茶苦茶。
よ〜う生きてたなぁ。
そいで……その出来事の証拠に、
これを家に持って帰ったんじゃな。
すると……ユーのママが、髪の毛
を……

……という事じゃな!」

デェマは、己に問いかけるように、
「竹刀・米闘勉といい……
何と言う偶然じゃ……
冗談のつもりじゃったが……本当に……」

「デェマ先生! 何をブツブツ言う
てはるんですか?」

「あっ!いやいや……
これは”お面”というんじゃ。
竹刀と同じ、伝説の勇者がかぶる
伝説の兜じゃ!
竹刀・米闘勉も出してみぃ!」

「うわぁ同じ!田中田中やん!!」

デェマはお面を持ち上げると、
「モーパッサン、ほれ」ズポッ!
「ぴったしペンペンじゃ!
 これはまさに!
     運命の!!
ジャジャジャ
    ジャアーン♪」

「デェマ先生!
僕、伝説の勇者っすか?!」

「ユー勇者!(イェーィ)」

「デェマ先生! 
   僕、モテますか?!」

「イケんじゃね!(冷や汗)」

「やったー!」

モーパッサン、妄想なう——

「デェマ先生! 僕は高校を卒業し
たら、勇者になりまーす!!
せやから……その”楽しい剣道”を
僕に下さーい!!」

「ユーがそのつもりなら……
”楽しい剣道”をくれてやろう」
デェマはそう言うと、パラパラ。
”楽しい剣道”めくり始めた。
すると……あっ!

「モーパッサン……
 やっぱ!
   やれん!!」