メディア・パブ アンドロイドスマートフォン、
アップルに再反撃。

(2011.09.14)

アップル(iOS)とグーグル(Android陣営)との戦いが激しさを増している。

スマートフォン(SF)のブランド別出荷台数で今年、アップルがトップに躍り出るようだ。Digitimesの調査によると2011年の世界のスマートフォン出荷台数は、前年比60%増の4億6200万台に達する。2010年までトップを走っていたノキアが失速し前年比25.8%減の7440万台に下落するのに対し、アップルが前年比81.9%増の 8640万台に上昇すると予測している。今年アップルが世界一のスマートフォンメーカーにのし上がるのは、ほぼ間違いない。

だがアップルは安泰としておれない。サムソンと台湾HTCが、アップル以上の成長率で出荷台数を急増させているからだ。サムソンは同191.3%増の6700万台 を、HTCは同106.2%増の4970万台を出荷すると予測されている。両社はアンドロイド陣営の有力メーカーで、グーグルのアンドロイド搭載のスマートフォンを売っている。

iOS搭載スマートフォンブランドはアップルだけなのに対し、アンドロイド陣営にはサムソンやHTCを先頭に多くのスマートフォンメーカーが参入している。このためブランド別でトップのアップルのiOSスマートフォン(SF)も、OS別SFの集荷台数で比較すると後発のアンドロイドSFに追い抜かれてき ている。


(ソース:Digitaimes)

comScoreの調査でも、米国におけるOS別スマートフォンの加入者数シェアで、グーグル(アンドロイド)が上昇し続け、アップル(iOS)との差を拡大させている。


(ソース:comScore)

iOSモバイルデバイス(iPhone,iPad)でスマートフォンやタブレット市場で先行してきたアップルは、App Store (iTunes)をプラットフォームとしてモバイル向けアプリの流通でも圧倒的な優位性を誇示してきた。アップルは、音楽だけではなくて、新聞、雑誌、書籍、テレビ、映画など全てのメディアコンテンツの流通をコントロールしていこうとしている。その野心を達成するには、優位にある期間を先延びさせたい。

そこでアップルが、アンドロイドSFメーカーの2強であるサムソンとHTCを特許などの知的財産権侵害で提訴し、アンドロイドSFの進撃を鈍らる行動に出た。できれば、市場から締め出したいのだろう。実際タブレットについては、ドイツの裁判所がサムソンのタブレットがiPadのデザインと酷似しているとして、オランダを除くEUでの「Galaxy Tab 10.1」の販売を一時差し止める判決を下した。

米国でもアップルから知的財産権 侵害で責め立てられているサムソンとHTCは、それぞれアップルに対して反訴している。HTCは昨日も、再びアップルを特許侵害していると米ITCなどに提訴したばかりだ。侵害された特許はグーグルから譲り受けたものも含まれている。グーグルから譲り受けた特許は、モトローラの4件、Palmの2件、 Openwave Systemの3件で、いずれもグーグルがこの1年間で獲得してきた特許である。グーグルがモトローラ・モビリティーを買収するという最近の発表も、暴挙 ではなくて当然の成り行きか。
(2011年09月08日)

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