メディア・パブ中国産メッセージングアプリWeChat、登録者数が急増

(2013.05.13)


 

中国Tencent(騰訊:テンセント)のWeChatは、LINEと同じくスマホ向けソーシャル・メッセージング・アプリであるが、登録者数をLINEのほぼ倍のペースで増やし続け、今年1月に3億人に達したという。この5月中には4億人を超す予定だ。WeChatの登録者数の推移は、次のようになる(Techinasiaが作成したグラフ)。  

一方、LINEの登録者数推移グラフは次の通り。


(ソース:LINEのプレスリリース)

WeChatのサービス開始が2011年1月。登録者数は約2年後の2013年1月に3億人。一方LINEは2011年6月にサービスを始め、2年弱の22か月後の2013年4月30日に登録者数が1億5000万人を突破した。また、WeChatの月間アクティブユーザー数は1億9000万人に達していると発表している。  

海外のソーシャル・ネット・サービス企業に対し防波堤を設けている中国の巨大市場において、中国産ソーシャルサービスのユーザー数が急増するのは当然かもしれない。課題はグローバル化である。 そこで今週開かれたBoao Forum For Asia(BFA) 2013で、Martin Lau社長は海外ユーザー数が4000万人を超えたことを明らかにした。でもグローバル展開では、LINEが先行している。LINE登録者数の1億5000万人のうちの約1億人が海外ユーザーである。東南アジアだけではなくて、スペイン語、フランス語、ポルトガル語も加え現在12ヶ国の言語に対応し、南欧や南米地域でもユーザー数を増やしている。例えば、スペインでは1000万人を突破した。

 

WeChatも海外展開に本腰を入れ始めているが、まず東南アジアで勢力を拡大している。BFAでLau社長は、WeChatがマレーシア、フリッピン、インドネシアの各国のApp Storeでトップに立ち、マレーシアとインドネシアでは最も人気の高いスマホアプリになっていると自慢していた。  

ところで、Lau社長が講演したBFA(ボアオ・アジア・フォーラム)とは、ダボス会議のアジア版をめざして2001年2月に28カ国が参加して設立された国際会議である。毎年、年次総会が中国海南省のボアオで開かれる。今年は習近平副主席が基調スピーチを行い、理事長に福田康夫元首相が新たに当選された。そこで、福田元首相や新理事のマレーシアのバダウィ前首相、アメリカのポールソン前財務長官たちと、習近平副主席とが会談した。その時のツーショットの写真がこれ。


(ソース:人民日報)

参考
・WeChat Now Has 190 Million Active Users, Close to Passing Whatsapp(Techinasia)
・40m of WeChat’s 300m users live outside China(memeburn)
・Tencent Opens Joint-Venture Company in Indonesia, WeChat App Sees Explosive Growth(Techinasia)
・習副主席、ボアオフォーラムの新理事長らと会談(人民報・日本語版)

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