メイヨー・クリニックの論文よりコーヒーを毎日平均して4杯以上
飲み続けると早死にする。

(2013.08.20)

若いころからコーヒーを多く飲み続けると、早死にする。メイヨー・クリニックの論文誌Mayo Clinic Proceedingsによると、55歳以下で毎日4杯以上のコーヒーを飲んでいる人は、早死にするリスクが高いという。世界的にも評価の高い医療機関の発表だけに気になる。

20歳から90歳までの4万3727人の男女を対象に17年間追跡調査した結果である。コーヒーの消費、ダイエット、運動、喫煙、体重などのライフスタイル要素をチェックしながら、調査を続けた。調査期間中に約2500人が亡くなったが、そのうち87%が男性であった(平均寿命の短い男性が多いのは当然だが)。グラフのように、コーヒーを多く飲む人ほど、男女とも生存率が低くなっている。

55歳以下の人で毎週28杯以上(毎日4杯以上)コーヒーを飲んでいる人は、早死にする確率が高いということだ。あまり飲まない人に比べて、女性は約2倍、男性は56%多く、亡くなっている。

この論文に対して、当然、反論は出てくるだろう。まず、今回の調査対象者は、白人で高学歴者で、経済的に中流から高所得者が多いことがある。55歳以上の調査対象者には非健康な人が少ないようだし、若死にした人の死因も本当にコーヒーとの因果関係があったかどうか明確でない。食生活や既婚、他の社会経済的 な要素の違いが、どう影響しているかもわからない。たとえば、コーヒーを多く飲む人が、ファーストフードを多く食べる傾向があるかどうか。米国では、低所得者ほど安いファーストフードを多く食べ、肥満化して成人病になる確率が高いとのことだが。

これまで、コーヒー業界関係者やコーヒー愛飲者の要望に応えてか、コーヒーを飲めば糖尿病、肝臓病、さらには癌にもなりにくいと、元気づけるレポートが多かった。死亡リスクが低くなるとのお達しにコーヒーをガブガブ飲んでいると、権威あるメイヨー・クリニックから逆に死亡リスクが高くなるとの警告が出たので、一日3杯にするか。 

(2013年08月17日)

参考
・Study Says Excess Coffee May Be Linked To Early Death. Should We Believe It?(Forbes)
・Heavy coffee consumption linked to higher death risk(USA TODAY)
・Can drinking too much coffee really kill you? Not likely(boston.com)

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