ここもガラパゴス? 我が道を行く
中国独自のソーシャルメディア

(2013.02.21)

ソーシャルメディアが切り開く「自由」

最近では、中国でも尖閣諸島問題も表面上は落ち着いていますが、日本での中国関連の最新トピックと言えば、やはり「大気汚染」でしょうか? こちらについては、中国でも民間での関心がとても高くなっています。原因としては、工場のエネルギー源である石炭、自動車の急増による排ガスの問題、またはそのガソリンの精製レベルの問題とか、色々と言われていますが、解決には中国ならではの様々な利権も相まって、本質的な問題解決は難しいでしょう。それは「政府の重要人物が、大気汚染を原因とした呼吸器疾患にでも罹らない限り、解決は難しい」などと皮肉が聞こえてくるほどです。

そういった声が聞こえるようになった、その立役者のひとつがソーシャルメディアかもしれません。中国のマスメディアは基本的に全て政府のものなので、都合の悪い情報は隠されてしまいがちです。ソーシャルメディアを含めたインターネットメディアがなければ、多くの民衆が知るところとはならず、今回の大気汚染もここまで問題が表面化していなかったかもしれません。

外資の参入障壁と、それがもたらすガラパゴス化

ではそのソーシャルメディアはどんな特徴を持っているのでしょうか。

中国のソーシャルメディアを端的に表現するならば「グローバルのメジャーサービスの模倣に独自の機能追加」という感じでしょうか。「模倣」の部分についてですが、ほぼ例外なく、グローバルで展開されているソーシャルメディアには、模倣サービスが存在します。例えば、YouTubeに対してYouku(優酷)だったり、Twitterに対してWeibo(微博)だったり。開発者の人に聞いてみると、オリジナルであることやクリエイティビティを追求するよりも、(模倣の)開発速度や中国人に対する使い易さの追求の方が重要とのこと。開発者の発言としては、なーんか違う気もしますが、一方で納得出来る気もします。海外の真似を迅速にサービス化するだけで、中国国内でメジャーを取れてしまったりするワケです。

じゃあ、なぜそんなことが可能なのか。グローバルのサービスがなぜ参入出来ないのか、というとそこにはやはり中国当局の「検閲の壁」があるのです。Facebookのマーク・ザッカーバーグも中国に何度か足を運び交渉をしてきたと言われていますが、依然としてFacebookには中国国内からはアクセスが出来ません。当局の検閲が結果的に外資の参入障壁となり、国内のネット産業を守る結果になっているのです。さらに、通常、ガラパゴス化することの弊害は、グローバルに通用しないという弊害を招くワケですが、中国の場合、国内だけで13億人のマーケットがあるため、当面それが問題視されることは無いようにも思います。

使ってみて欲しいサービスいろいろ

それでは、具体的に、下記に使ってみて欲しい主な中国ソーシャルメディアをご紹介します。中国人の友人や会社の海外オフィスの同僚などがいれば、MSNメッセンジャーのような「QQ」やLINEのような「微信」もオススメですが、今回は「中国旅行を計画するなら」何が使えるか、という視点で考えてみました。

Googleマップならぬ「Baidu地図(百度地图)」

中国ではGoogleマップがあまり使い物になりません。GPSで現在地がズレたりします。中国観光の際は、こちらを是非。中国旅行に行く時は、スマートフォンにBaidu地図アプリをDLして行きましょう。

食べログならぬ、大衆点評

スマートフォンアプリならば、現在地に近い店の検索も出来ますし、操作は大体がアイコン化されているのと漢字表記で分かります。評価の点数は結構甘めについています。

YouTubeならぬ、Youku(優酷)

中国語(簡体字)が使えなくても、日本語で中国の観光地や有名人の名前を入れて検索するだけも、色々出てきます。旅行先を下見するのに使えるかも。ちなみに、日本のドラマなども検索結果に出てきますが、日本からは視聴出来ません。

InstagramならぬTuding(图钉)

こちらは、写真投稿アプリです。Twitterのような短文投稿は難しくても、写真投稿ならハードルが低いかも?操作性はInstagramとほぼ同じ。中国人の場合、圧倒的に「自分撮り」写真が多いのが特徴でしょうか。是非自分撮りして、観光地でチェックイン、中国デビューして来て下さい!

<番外編>
CN Air Quality(全国空気汚染指数 PM2.5)

訪れる予定の都市をこちらでチェックしてみて下さい。300ポイントを越える日が多いようでしたらN95対応のマスクを購入してお持ちになるとよろしいかと。