メディア・パブ反差別デモで浮上してきた
新種のソーシャルメディア「Vibe」

(2011.10.21)

年初に北アフリカで燃え盛った一連の反政府(民主化)デモ、そしてその約半年後に米ウォール街占拠デモに端を発し世界各地に飛び火している反格差デモ。 こうした運動を拡大させ連帯感を高めるのに、ツイッター(TW)やフェイスブック(FB)などのソーシャルメディアが大きな役割を果たしてきたのは間違いない。

今回の反格差デモでも活用されたソーシャルメディアの主役はTWやFBであったが、新種のソーシャルメディアサービスも台頭してきた。その中で話題になっているのが、ツイッター風のメッセージサービスであるiPhoneアプリ/iPadアプリ「Vibe」である。日本でも無料でダウンロードできる。

特徴は匿名サービスであること。アカウントは必要でない。位置情報を提供しておけばよい。ユーザーはツイッターと同じように、オープンにメッセージを発信 できる。ただし、匿名でポストすることになっている。そして、そのメッセージはユーザーが指定した時間後に消えてしまう。当局によって、メッセージのやり 取りが傍受されたり監視されるのを防ぐためである。また、位置情報を利用して、メッセージが伝わる距離もユーザーが指定できる。例えば、広場に集まった人 たち(不特定多数)に絞ってメッセージを伝えることもできるのだろう。

メッセージが残っている時間(その後は自滅)。
• 15 minutes
• 1 hour
• 1 day
• 14 days
• 30 days

メッセージが届く距離。
• Whisper: 160 feet / 50 meters
• Speak: 160 feet / 500 meters
• Shout: 31 miles / 50 kilometers
• Yell: 311 miles / 500 kilometers
• Bellow: worldwide

ユーザーは、以下のスナップショット(下)のように、時間(How long?)と距離(How loud)を指定して、メッセージを発することになる。

Vibeは、日常的に利用できる便利なモバイルアプリでもある。家庭や職場、学校、集会、会議、スポーツ会場などで、何の登録をしていなくても、すぐに、 その場に居る人たちに、手軽にメッセージを伝えたり、コミュニケーションが実現する。メッセージにはテキストだけではなくて、写真や動画も送れる。サー カー場や野球場などで、スマートフォンを持っている観客同士を相手に、いろんなイベントを仕掛けることもできそう。
(2011年10月20日)

 

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