メディア・パブNYタイムズ、
デジタル購読売上が黒字化に貢献。

(2011.10.21)

NYタイムスのデジタル有料購読者数は、今年第3四半期(7月~9月)に約4万人も増え、32万4000人に達した。この結果、販売(circulation)売上高が前年同期比で3.4%増となったお陰で、次のように第3四半期の純利益は1569万ドルと黒字に転じた。

*NYT社(The New York Times Company)の2011年7-9月期決算(単位:1000ドル)


今期は、景気の下振れで、広告売上高が落ち込むことを覚悟していた。新聞紙(NYT紙やBoston Glove紙など)の広告売上は前年同期比で 10.4%も減り、デジタル広告も含んだ総広告売上高が同8.8減と沈み込んだ。でも、その広告売上の落ち込みのかなりの部分を、販売売上で補うように なってきたとは、少し前まで考えられないことであった。

NYTは今年3月末からデジタル有料化を開始し、第2四半期末(6月)にデジタ ル有料購読者数が28万1000人に達していた。その後も順調に進み、4万人以上が上乗せされて32万4000人に膨れてきたのである。今四半期は経費節 減も寄与して、何とか黒字化に漕ぎ着けたのだ。

このほどBoston Gloveサイトの有料化も始めたし、さらにnewsroomスタッフ20人をレイオフする予定である。NYTのデジタル有料購読者が今後も増え続けば、光明も見えてくるだろう。

 

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