メディア・パブ 米出版社アップル支配に抵抗、
アマゾンタブレット支持の大合唱。

(2011.09.29)

アマゾンのアンドロイド・タブレットが間もなく登場する。それに合せて米国の大手雑誌社がこぞって、アマゾンのタブレット向け電子雑誌を出すことになっている。iPad向けの電子雑誌の発行を巡って、アップルから高圧的な条件を押し付けられてきている雑誌社にすれば、アップルへの牽制球を投げるためにも、アマゾンのタブレット向け雑誌を支持する大合唱を起こしたい。

最初にアマゾン提携の狼煙を上げたのが大手雑誌社でもある Hearst。わざわざ今月(9月)13日にプレスリリースで、Hearstとアマゾン(Amazon.com)が連携を拡大していくことを明らかにした。この動きに追う形で、今日(9月28日)のアマゾンのタブレットの発表に合せて、Hearst以外にもConde NastやMeredithなどの大手雑誌社も、有力雑誌の電子版をアマゾン・タブレット向けに提供することを打ち上げる予定だ。

Hearstは、日本でもお馴染みのCosmopolitanやMarie Claireなど、20タイトルの有力雑誌を発行している雑誌社である。電子版の発行にも意欲を示している。すでにEsquireやO, The Oprah、Popular Mechanicsの電子版をiPad向けに出しており、Appleの厳しい要求にしぶしぶ従って、App Storeで一部売りや定期購読を実施している。

Hearstのタブレット向け電子(デジタル)雑誌事業も、徐々に離陸し始めている。同社は、有料の電子雑誌のダウンロード数が月間30万を越えたと話し ている。なかなか立ち上がらない電子雑誌市場において、月間30万部は明るい動きと言える。アップルのApp Storeだけではなくて、Barnes & Nobleの NookやZinioのdigital readerプラットフォーム向けの電子雑誌も含む。そしてHearstは、4番目の電子雑誌販売チャンネルとして、アマゾンのタブレットとストアに大き 期待を寄せているのだ。

アマゾン(Amazon.com)は紙の雑誌も販売しているので、アップルには真似できない紙雑誌と電子雑 誌を組み合わせた販売メニューなどを、雑誌社に提示しているかもしれない。だがアマゾンも、電子書籍の販売でも見せたように、雑誌社にとって厳しい存在で あることには違いないのだが。
(2011年09月28日)

 

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