メディア・パブ 消費者はこれまでの広告を
信頼しない。

(2012.04.30)


 

企業が経費をかけて宣伝する広告に、消費者は信頼しなくなっている。特に、従来型のTV広告や雑誌広告、新聞広告に対する信頼が、この2年間に目立って落っこちてきている。逆に、知っている人が薦める話や消費者の意見には、信頼を置くようになっている。

ニールセンが2011年9月に世界56カ国2万8000人のオンライン消費者を対象に実施した広告の信頼度調査であるが、想像通りの結果と言える。知っている人の推薦を92%もの人が信頼している。オンラインでの口コミが浸透しているのも弾みを付けているのだろう。でもソーシャルネットワーク広告やモバイル広告は従来型広告のせいか、まだ信頼されていない。

以下に2009年4月実施の信頼度調査結果も載せておく。上のグラフとの変化を見れば分かるように、企業が仕掛ける広告がこぞって信頼を落としている。旧来型のテレビやプリント(雑誌、新聞)広告だけではなくて、ブランド(企業)サイトが70%から58%と急減している点が気になる。要するに提供者側が発するメッセージを、消費者はあまり信頼していないということか。

次は、各広告カテゴリーの信頼度を、アジアと北米と欧州で比較したグラフである。世界平均と比較して、アジア人は広告を相対的に高く信頼しているのに対して、欧州人は厳しいく見ている。特に、TV、新聞、雑誌の伝統メディアの広告を信頼していないという結果になっている。

2007年4月のデータが見つかったので、最後に、各項目の推移を表でまとめた。やっぱり、企業の売らんかなの広告は、プリントやTVの伝統メディアだけではなくて、オンラインメディアになっても、消費者はあまり信頼しないようである。

(2012年4月30日)