メディア・パブラオックス買収の蘇寧電器、
amazon.cn抜きトップ3へ。
(2012.01.10)
中国のインターネット市場は2012年も、量的にも質的にも大きく揺れ動くことになりそう。
そこでオンラインショッピング(B2CのEコマース)市場の動向を覗いてみた。ややニッチな動きかもしれないが、次の二つの動きに注目してみた。蘇寧電器(苏宁电器、英語:SUNING)の躍進と富裕層向けEコマースの台頭である。
中国大手の家電小売店である蘇寧電器は、ラオックスを買収して日本式サービスで事業拡大を加速化させているが、リアル店販売に加えてオンライン販売にも参 入している。リアルの家電量販店として仕入価格の強さ備えているため、オンラインでも安値攻勢に打って出て、昨年は中国のB2Cオンラインショッピング市場で9位から一気に3位に浮上した。
蘇寧電器のオンラインサイト(Suning.com)は次の通り。昨年、これまで3位であったamazon.chを抜き去ったことになっている。
またトップのTmall(淘宝商城)はアリババグループに属し、サイト(http://www.taobao.com/)は画像のよう。ユニクロは昨春から、淘宝と提携しネット通販にも進出しているが、正月のTmallのトップページに以下のように広告を掲載していた。またユニクロは、これとは別に独自サイトでも通販を実施している。
広大な国土に約5億人のインターネット人口を抱える中国は、オンラインショッピング市場はまだまだ拡大していくのだろう。インフォグラフィックでも、2010年のオンラインショッピング人口が米国と同じ約1億4000万人であったのが、2015年には米国の2.5倍の5億人を超えると言う強気な予測が出ている。
ただすそ野の量的拡大だけではない。中国には富裕層人口がものすごい勢いで増えている。年収がRMB 10 Million(約1億2000万円)以上の富裕層が、中国沿岸部を中心に生まれてきているのだ。
そうした富裕層向けのショッピングサイトとして、Shangpin.com, Xiu.com, Vipstore.com, Ihush.com, and Ihaveu.comなどが出てきており、またB2Cオンラインショッピングno.2の京東商城(360Buy.com)も昨年参入してきた。さらに、 NetEase.comや Sina.comも富裕層向けのショッピングプラットフォームを立ち上げた。TencentはダイヤモンドB2CサイトKela.cnに出資した。画像はそのKela.cnのトップページ。
the World Luxury Associationによると、中国の luxury消費は2012年にもUSD14.6 billionを超え,市場規模で日本を追い抜くと言う。
参考
・CHINESE ONLINE RETAILERS TO GROW IN IMPORTANCE DURING 2012 (The China Observer)
・CHINA’S TOP 10 WEALTHIEST PROVINCES (The China Observer)
・Suning Appliance Forecasts 25% Rise In 2011 Earnings (CapitalVue)
・ラオックス 中国での初店舗開店(NHK)
・China’s Suning signs deal with IBM for e-commerce(Reuter)
・中国2大家電量販店、蘇寧と国美がB2Cに参入。京東も苦しいか! (中国インターネット新聞)
・China B2C E-Commerce Report 2011(News.Gnom.es)
・360buy.com Finally Launching Luxury Retail Website In China(China Tech News)
・淘宝(タオバオ)2011年、中国ネットショッピングシェアの9割。年間客単価が約4.5万円(中国インターネット新聞)