メディア・パブ 「今」起こっていることをソーシャル
検索するエンジンBottlenose

(2012.07.26)


 

リアルタイム・ソーシャル検索エンジン「Bottlenose」のベータ版サービスが、24日に公開された。

特定のトピック(キーワード)に関して今何が起こっているかを検索してくれるサービスである。Facebook、Twitter、Google+などで飛び交っているストリームを検索して、今トレンドとなっているコンテンツを発見し監視してくれるツールである。その実現のために自然言語処理、パーソナライゼーション、セマンティックの技術を駆使しているという。ソーシャルネットワーク(多くの人)で今まさに関心を払われているのは何かを探るのに役立つのかも。

Bottlenoseのビジネスモデルを見ておこう。ビジネス向けから個人向けまで、専門分野からコンシューマー分野までをカバーする全方位サービスである。その点に関しては、市場的に以下のグラフのように、グーグルの検索エンジンと重なる。

爆発的な情報量の増加に伴い、情報収集する検索手段も多様化している。もうグーグルの検索エンジンだけでは、対応できなくなっている。ソーシャルメディア・モニタリングのRadian6、ソーシャルメディア・ダッシュボードのHootsuite、ソーシャルニュース・リーダーの FlipboardやZite、流行っていることを示すTrendspottr、ソーシャルサーチのTopsyなどなど、Bottlenoseと競合するサービスが次々と現れている。

Bottlenoseは対象とするユーザー層はグーグルと重なるかもしれないが、機能的には以下のグラフのように対極に位置する。Bottlenoseの特徴は今何が起こっているかに焦点を当てているのに対し、グーグルの検索エンジンなどは主にこれまでの過去の更新を対象にしている。その点、検索や発見的機能を強化しているTwitterが最大の競合サービスとなるかもしれない。

とりあえず体験してみよう。今旬の話題としては、このサービスが公開された日に電撃移籍した「ichiro suzuki」が格好のトピックである。当日(昨日の24日の夜)にBottlenoseの検索窓に「ichiro suzuki」を入力して得られた結果のスナップショットを掲げておく。

最初に現われる“Now”ページでは、イチローに関するトップストーリー(最新のニュース記事など )やイチローに係る最新トピックス、関連する人、写真、最新のリンク、ソーシャルネットワークからの最新のコメントなどが、まとめて見ることができる。

“Now”ページでは各種コンテンツが詰まり過ぎているので、他のページで別のレイアウトで閲覧できるようになっている。たとえば、“Paper”ページでは PinterestやFlipboard風のフォーマットで 、次々と現れる新しい記事が閲覧できる。昨日閲覧している時も、5分前や10分前の最新のニュースも次々と表示されていた。クリックするとソース元の記事にアクセスできる。

“Pictures”ページには、写真共有サイトなどから持ってきたイチローに関する最新の画像が載っていた。

“Scanner”ページには、解析、アクティビティー、アップデート、リンク、関連人物などを、しっかりと閲覧できることを目指している。専門家やマーケッター向けを意識したページに育て上げたいようだ。

“Sonar”ページでは、イチローに関連するトピックスや人物、ハッシュタグなどがバーチャルグラフで示されている。

Botlenoseの基本サービスはフリーミアムで無料で利用できる。ただし、有料サービスも視野に入れており、専門家やマーケッター向けに統計データなどを付加した“Scanner”のプレミアム版なども開発していきたいという。

Botlenoseサービスの評価は、まだ始まったばかりだし、もう少し使っていかないと何とも言えない。対象とするソーシャルコンテンツはノイズが多いだけに、自然言語処理、パーソナライゼーション、セマンティックの技術で、どこまで質の高いサービスを提供してくれるかどうか。

(2012年07月25日)