メディア・パブWebトラフィック、モバイルが
PCを抜く国が続々と出現。

(2012.05.15)


 

ケータイに加えてスマートフォンの爆発的な普及に伴い、世界のモバイルWebトラフィックが急増している。スマートフォンなどモバイル端末からのインターネットアクセスの割合が増え続けているのだ。

全Webトラフィックのうちモバイル端末からの割合がどれくらい占めるのだろうか。その調査結果をPingdomが発表したので、以下に紹介する。まず世界の州別に示したモバイルのWebトラフィックの割合である。

2012年5月時点(現在)ではアジアがトップで、全Webトラフィックのうち約18%がモバイルトラフィックである。2位は約15%のアフリカである。逆に先進国の欧米では、モバイルトラフィックの割合が低い。以下の表は、この2年間における、モバイルトラフィックの割合の変化である。アジアは2年間でモバイルトラフィックの割合が3倍近くも増えている。逆にPC(パソコン)からのトラフィックの割合が減っていることになる。

先進国もスマートフォンやタブレットの普及に伴いインターネット利用のモバイルシフトが始まっているのに、どうして開発途上国が先行しているのだろうか。これは別に意外なことではない。欧米の先進国ではPCインターネットが幅広く定着していたのに対し、開発途上国ではPCインターネットが欧米のように普及する前に安価なケータイが現れたからである。つまりPCインターネット時代が大きく開花しないで、事実上バイパスする形で、モバイルインターネット時代を迎えようとしているのである。

開発途上国で新しいサービスが、先進国より先行して浸透する例が増えてきている。例えば、移動体の電話サービスもそうであった。固定電話の施設経費が嵩むため開発途上国で電話があまり普及しなかったのだが、移動体通信施設が比較的安価に短期間で整備できるようになると、一気に携帯電話サービスが開発途上国で普及した。今では、ケータイなどのモバイル端末の普及率で、欧米の先進国を追い抜いた開発途上国は少なくない。

こういう背景もあって、Webアクセスでモバイルトラフィックの割合が高い国は、以下のように開発途上国が占めている。

48.87% – India
47.09% – Zambia
44.95% – Sudan
42.36% – Uzbekistan
40.65% – Nigeria
37.95% – Zimbabwe
35.46% – Laos
34.66% – Brunei
31.79% – Ethiopia
29.2% – Kenya

ちなみに、米国は8.61%で英国は10.71%である。(モバイルアプリのトラフィックを加えているかどうかは不明)。

トップのインドにおけるモバイルトラフィックの割合の推移は次のようになる(StatCounterより)。近く、モバイルトラフィックがPC(図ではデスクトップ)トラフィックを追い抜くことになろう。

(2012年05月10日)