メディア・パブ 年末のオンラインショッピングは
アンドロイドよりiOS端末から

(2012.11.30)


 

アンドロイド端末スマートフォンの出荷シェアが高まる一方にもかかわらず、スマートフォンサービスの収益性ではiPhoneがまだまだ圧倒的に優位にあるようだ。 

先週末の感謝祭とブラックフライデー(米年末商戦の最初の日で、最も売上が見込める)における米国のオンラインショッピングサイトへのトラフィックデータをIBMが公表した。そのレポートによると、以下のグラフのように、オンライントラフィックの24%をスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末が占めるようになった。注目すべきはそのモバイルトラフィックの77%をiOS端末が占めていることだ。

ところが最近のcomScore調査 によると、スマートフォン加入者比率でアンドロイドが52.5%でiOSが34.3%となっており、アンドロイドが優位にある。さらに最近の出荷台数比率で は、アンドロイドがiOSを圧倒している。またタブレット端末でも、独走していたiOS搭載端末の出荷台数比率が50.4%に急落し(Gartner調査)、アンドロイド搭載タブレットが急増しているのだ。

アンドロイド搭載モバイル端末の出荷台数が急増し、モバイル市場でアップル端末(iOS搭載モバイル)のシェアを侵食しているにもかかわらず、ショッピン グサイトへのトラフィックでiOS端末が圧倒的に多いのは、iOS端末とアンドロイド端末に対するユーザーのエンゲージメントギャップがまだかなり大きい ということだろう。

また驚くことに、オンラインショッピングサイトへのモバイルトラフィックのうちiOS端末が占める割合が、1年前が 71%だったのに今年は77%に跳ね上がっている。この1年間でアンドロイド端末の集荷台数や加入者数の比率がかなり高まっているはずなのに。先進的なオ ンライン消費者をすでにアップルが囲い込んでしまっているためか。

また参考までに、Asymcoが提供しているグラフを掲げておく。最初は、過去3年間のショッピングトラフィックの推移である。iPhone、iPad、 それにアンドロイドスマートフォン別に示している。これを見る限りでは、モバイルビジネスを仕掛けるには収益性の高いiOS端末向けを優先したくなる。

でも米国でも、ユーザー数(加入者数)となると、アンドロイド端末がより多く増えていきそうである。
(2012年11月27日)

参考
・The Android engagement paradox (ASYMCO)
・iOS devices dominate mobile device online shopping stats(arstechnica)
・Why are Android users less engaged than iOS users?(GIGAOM)

メディア・パブ