「かがわけんはおもっしょいけんやけん!」 ~ 香川県のうどんはなぜおいしい?  おいしいうどんの集中地域、まんのう町を訪ねて~

(2010.01.04)

つまり、まんのう町は香川の中でも、自然がいっぱいで山間部から溢れ出る、綺麗な水が沢山ありますから、これを利用したおいしいうどん屋さんの数も、多いってことですね。

……けれども、私はさぬき人なので、今回は、うどん屋さんではなくて、この町の、隠れたおいしいの内、ひとつふたつを堪能したいと思います。

そうして、最初に向かったのは、仲南産直市「空の夢もみの木パーク」(道の駅)です。ここでは、さぬきうどんのひとつのかたち、「しっぽくうどん」や、県内でここだけ?のどこもだけではなくて、「まこもだけアイス」が堪能できるとのことで、ちょっぴり期待して寄ってみました。

空の夢もみの木パーク

香川県仲多度郡まんのう町追上424-1 
Tel.:0877-75-1994 食事は8:30~15:00 「うどん&そば」は10:00から
http://www.skr.mlit.go.jp/road/rstation/station/kagawa.html

ところで、この道の駅が、何で『空の夢』か? に答えるならば、話が少し長くなります。
「もみの木パーク」の入り口看板上には、セスナが不時着していて?、敷地内には、二宮飛行神社や、二宮忠八(にのみやちゅうはち)飛行館も併設しています。何故でしょうか……。

実は、世界で初めて飛行原理を発見した二宮忠八は、香川県丸亀の陸軍歩兵第十二連隊第一大隊に入隊していた時、この村の樅の木峠で滑空するカラスを見て、飛行原理を発見したのです。そうして、その発見は、あのライト兄弟よりも早かったのです。
 

飛行機不時着?の看板。
二宮忠八が祀られる飛行神社です。

その後も忠八は、独自の研究を重ね、今後の戦争では飛行機が不可欠なものになってくるだろうから、日本も研究開発をしなければ……との思いを込めて、何度も陸軍への飛行機採用を上申しましたが、それを理解できない上司にことごとく却下されて……ここからは、良くある傑出先進的な個人と旧態依然組織の問題なのでしょうが……結局、世界初飛行は、ご存じのように他国にさらわれちゃいました。そんな理由で、ここには、二宮忠八が祀られた飛行神社も在るわけです。

さて、お話しを戻して、おいしいの内の一つ目「しっぽくうどん」ですが、これは、大根、ごぼう、にんじん、里芋などその土地でとれた季節野菜を、汁と共に煮込んで作り、ゆでたうどんの上にこれをかけていただく、讃岐の冬の代表的郷土料理です。昔は、農村の日常食として、どこの家でも、季節野菜をふんだんに使って、麺も太かったり細かったり、家ごとに違うのも、手づくり料理の醍醐味でして、年末に「年越しそば」として、このだしで作ったそば(しっぽくそば)や、「しっぽくうどん」を食べる家庭が今でもたくさんあります。

ところで「しっぽく」という名前の語源については、諸説あるようですが、卓袱料理(しっぽくりょうり)=いろいろな料理を大皿に盛る中華風和食のようにいろいろな具がのっているので、そのようなうどんを、しっぽくうどんと呼ぶようになったとか。

ここでいただく「しっぽくうどん」も、当然、まんのう畑で育った元気野菜で創られているので、野菜の甘みが非常に濃厚です。『ずずーっ。ごっくん』汁まで完食すれば、おなかも体もぽっかぽっかです。ところで、今回見つけた、もう一つの地元うどん、まんのう町のしゃっきり竹の子で作った、「竹取うどん」も、あっさりながら、これまで食べたことのないような、美味しいうどんでした。

 
写真はクリックで拡大します。

しっぽくうどん 450円(税込)大盛り100円増し。
竹取りうどん 350円(税込)大盛り100円増し。
ひまわりアイス、まこもだけアイス 各200円(税込)安いでしょ!

そうして、せっかく暖まった体が余韻を楽しむ暇を与えないかの如く、続いて、お目当てアイス、「まこもだけアイス」&「ひまわりアイス」を食べてみます。
「ひまわりアイス」は、その名の通り、まんのう特産ひまわりの種を砕いてふんだんに練り込んだアイスです。口に含めば、ナッツ風味を思わせる、まったりとした濃厚アイスでした。そうして、「まこもだけアイス」は……えーっと、まこもだけって何でしたっけ? お店で聞いてみました。

「まこもだけは、イネ科の大型食用多年草で、ミネラルや食物繊維をたっぷり含む、低カロリー食品であり、タケノコとアスパラガスの中間のような食感で、しかも、解熱、便秘、糖尿、高血圧など、諸症状への効果が期待されてる自然食です。」との説明がありました。

「まこもだけ」という名前がキノコ的というか、某携帯電話マスコット的で、何かしらかわいい響きを持つこの作物は、実は昨年から、町内の田んぼで栽培を始めた、ぴっかぴかの一年生特産品? だそうです。そうして、期待のお味の方は……透明なつぶつぶは、食感がナタデココ的で……うまく表現できないですね、何か初めての味って感じ?

みなさんも、是非、もみの木パークへ来て、食べてみてください。来年の初秋には、まこもだけの実物?も、ここで販売される予定だそうです!

 

さて、もみの木パークで腹ごしらえが終わったら、久しぶりの満濃池に立ち寄って、その大きさを確かめます。しーんとしてて、どっしりと、命の水を湛えるこの池は、その恩恵に預かる県民さえも、わざわざ見に来る事はあまりないのですが、青い空に、白い雲、樹木達のモザイク模様が、池の水面に映り込んで、何か、こぢんまりが多い香川には、似つかわしくない雄大な景色さえも湛えているようでした。

 

あちこち楽しい、寄り道後、いよいよ本日のメインテーマのまんのう公園に到着しました。ここからの様子は、前回のレポートに任せますが、国営讃岐まんのう公園を支えている、まんのう町周辺の市・町(丸亀市、坂出市、善通寺市、宇多津町、琴平町、多度津町)にも、地域それぞれの美味しいうどん屋さんや、その地域ならではの名産品がありますので、「国営讃岐まんのう公園」に立ち寄られた際は、是非、そちらの市や町へも足を伸ばしてみてくださいね。

ちなみに表題を標準語的に訳すと、
「かがわけんは おもっしょいけんやけん!」→「香川県は、趣が深く、心を惹かれる愉しいものがたくさんある県だからね!」となります。

 

まんのう公園からのお正月プレゼント、素敵なプレゼントはこちらをチェック!

『国営讃岐まんのう公園』のお隣にある満濃池。まんのう町にはおいしいうどん屋さんがたくさんあるのです。

 

国営讃岐まんのう公園 整備・利用促進協議会

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琴平町 HP
多度津町 HP

 

国営讃岐まんのう公園

Tel.0877-79-1700
料金:おとな(15歳以上)400円 こども(小・中学生)80円 幼児 無料
駐車料金:● 普通車 310円 ● 大型車1,020円 ● 二輪車 100円
営業時間:9:30~16:30
定休日:火 *ただし、火曜日が休日の場合、火曜日は開園し、翌日水曜日が休園。水曜日が休日の場合、前日の火曜日は開園。(1月の第4水曜日~金曜日の3日間は休園します。)
住所:香川県仲多度郡まんのう町吉野4243-12
ホームページ:http://www.mannoukouen.go.jp/
携帯サイト:http://www.mannoukouen.go.jp/m/
公園へのアクセス:http://www.mannoukouen.go.jp/access/car.htm

 瀬戸中央自動車道~高松自動車道 坂出ICから車で約35分(約18km)
 瀬戸中央自動車道~高松自動車道 善通寺ICから車で約25分

筆者プロフィール

長尾 克宏(ながお・かつひろ)

広い世界の中でもアニミズム感に溢れ、自分を愛し、家族を愛し、そういった家族の総体である社会によって構成された、この日本国が大好きです。生まれは香川。自然、特に「海」が好きな私は、その後、神戸、東京と暮らしてきて、現在は香川に住んでいます。これまで、全国津々浦々旅をしてきましたが、瀬戸内海に包まれた、たおやかなる風情・自然が多く残る、我が香川を一番愛しており、休日には、山(登る・採る)、川(泳ぐ、釣る、採る)・海(泳ぐ、潜る、釣る、採る、創る!)へ妻&息子と出かけ、それをエネルギー源にして生きています。皆様も是非、「香川へ遊びに来まい! おもっしょいでー!!」(香川へ遊びに来てくださいね! 面白いですよー!!)