もし就活学生がマーケティングを勉強したら 24就活には他人とは異なる
あなた自身のストーリーが必要です。

(2012.11.19)

ところで環サンは旅行業界に興味があるようですが、旅行代理店の他に鉄道、バス、航空、船舶などの輸送業も視野に入れながら業界研究を進める方が得策でしょう。何事も最初は間口を広めにとっておくことをお勧めします。

環:「私、ちょっと船酔いしたことがあるので船はちょっと…」

船酔いする人は船舶関連の会社に就職できないなどというルールはありませんが(社員全員が船に乗って仕事をする訳ではありませんから)、気分が乗らないということであれば外して結構ですよ。

環サンにとっての旅行業界におけるOpportunities(機会)とは何でしょうか?自信のある語学を更に伸ばして活かしていくことが出来るということがひとつ、あるでしょう。でもそれで安心してはいけません。環サンはいまどきの大学生の中で比較的語学力は高いところにあるのかもしれませんが、環サンと同じように語学力に自信のある学生が数多く旅行業界を志望している可能性があります。その中で自分が相対的にどのくらいのポジションにいるのか、把握する必要があります。そのためにエビデンスが必要なのです。

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もしも環サンが自信のある語学が英語だけだったとするとちょっと不安です。旅行業界では日本人観光客の旅行先が円高などのおかげでどんどん拡がってきていることで英語ぐらいでは大した武器にはなっていない可能性があるからです。これからは英語プラスアルファの外国語が求められています。それが環サンにはThreats(脅威)になるかもしれません。

もちろん今から第二外国語を就活のStrengths(強み)になるよう磨きをかけることもできるでしょうが、後は就活が本格化するまでにどれだけのエビデンスが用意できるか、時間とのかねあいですね。

今まで環サンのStrengths(強み)からOpportunities(機会)、Threats(脅威)を軽く眺めてみました。それぞれがつながっていくことがわかって頂けたと思いますが、この程度では他人と差別化されたストーリーにはなっていません。企業の面接官が思わずハッとするようなストーリーにするにはSWOTの輪を100回ぐらい廻しながら、自分だけのストーリーを作っていく必要があるのです。

環: 樹クン、あなたはいったい何語がしゃべれるの?ムニャ、ムニャ…
イラスト / たかはし たまき