もし就活学生がマーケティングを勉強したら 59面接でまず大事なことは
何でしょうか?

(2013.07.29)

採用のプロセスにおいて面接が最重要視されていることはこれまでに何回も言ってきました。皆さんが経験したことのある入学試験では内申書と筆記試験で決まることがほとんどで面接を採用するケースはあまり多くはありませんでした。点数化された定量的指標よりも言葉によって表現されるような定性的指標が大事といっても皆さんにはピンとこないのは仕方のないことです。面接の基準って客観的ではないじゃない!といっても定性調査というのはもともと主観が入り込む余地の多い調査なのです。

マーケティング・リサーチの面接(インタビュー)にも一人の対象者に時間をかけて質問を重ねていく深層面接(デプス・インタビュー)という手法があります。これは対象者の回答からその奥底にある考え方、価値観、具体的にいうとある商品を購入した(あるいはしなかった)理由を浮き彫りにして商品開発や販売のヒントを探索することです。そのためにはインタビュアーには様々な知見と経験を積むことが求められます。しかし採用面接の面接官(インタビュアー)はその会社の社員ではあってもインタビューのプロではないのです。

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「人間は見た目よりは中身が大事」というのは日本人にとっては誰しも当然と考える価値観かもしれません。しかし世界中の心理学者の実験からはむしろ逆の結果、つまり人間は外見に惑わされてしまう生き物だという結果が得られることが多いのです。

しかし見た目がパッとしないからといって落ち込む必要はありません。ポイントを掴んで対策を立てれば誰でも印象度をアップさせることが可能です。

まず大事なのはアイコンタクトです。相手の目をしっかり見て話をしましょう、ということなのですが、相手の目を見続けることは失礼な行為だとされることもあり、日本人には難しいことだといわれています。過度なアイコンタクトは相撲の仕切りの睨みあいように過度な緊張を生む場合もあります。学生の皆さんが年の離れた初対面の面接官の方とアイコンタクトをとることはなかなか大変なことでしょう。無理にアイコンタクトを取ろうとすると目つきが厳しくなったり、それにとらわれて話す内容が飛んでしまったりしては元も子もありません。また面接官はたいていの場合複数なのでそのバランスをとることも考えなければいけません。

心配な方は相手の口元あたりを見るようにすればそれほどプレッシャーを感じずに相手にアイコンタクトをとっているように、つまり自分の方に注意を向けていることを感じさせることが出来ます。


アイコンタクトが大事とは言いましたが…
イラスト / たかはし たまき