もし就活学生がマーケティングを勉強したら 15 就活においても
現場を見ることは大事です

(2012.09.17)

就活において何年後かの皆さんが職場で働いている姿をイメージできるようにするためには調査が必要です。企業が商品・サービスを提供するためにお客様(これは消費財の場合は私たち消費者、産業材の場合はお得意様とする企業になるのですが)を知るために行なうのがマーケティングリサーチです。皆さんを雇うかもしれない企業の人材に対するニーズがどのあたりにあるのか、自分の目、耳、足を使って調査する努力が必要になります。(食品関係の企業の場合は舌も鼻も使う必要がありますね。)

ここで先輩の話を聞くことは大変勉強になるのですが、入社1、2年目の先輩だと会社の業務の全体像が必ずしも見えている訳ではないので注意が必要です。できれば複数の、異なる部署の先輩からお話を伺うのがよいのですが、なかなかそういった機会に恵まれる方は少ないでしょう。ドラマや映画、小説の中で出てくる職場のイメージは参考にはなりますが、それがすべてだと思ってしまうと、面接の時に話がかみ合わないというようなケースも生まれます。

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皆さんのような消費者と直接的な接点のある業種の会社であれば、実際にその職場に足を運んで業務内容を観察することが出来ます。たとえば銀行員になりたいと思っているとしたら実際にいくつかの支店の窓口を訪れて行員の方々の働きぶりを観察するのです。実際に口座を開設して、迷惑にならない範囲で商品・サービスのことについて質問してみるのも皆さんの勉強になるはずです。窓口の種類によって行員の方の服装や口ぶり、身のこなし方が違ったり、支店内の座席によって仕事の内容が区分されているようなことが見えてくればしめたものです。

もちろん来店するお客様の見えないところにも支店の仕事はたくさんありますし、本店に行けば膨大な本社機能を担う様々な組織があるのですが、実際に店舗に足を運んだ経験は皆さんがエントリーシートを書いたり、面接する時の説得力ある材料を提供してくれるはずです。

大昔、窓口が15時に閉まることから銀行は15時で仕事が終わるので他の業種の会社より早く帰れると勘違いしていた学生もいたという話もまことしやかに伝えられていましたが、古き良き時代の就活エピソードかもしれませんね。

環:ナルホド……
樹:オレ、高所恐怖症なんだけど……

イラスト / たかはし たまき