もし就活学生がマーケティングを勉強したら88 「B to B企業」と「B to C企業」で
就活に違いはあるのでしょうか?

(2014.03.03)

「B to B企業」でも「B to C企業」でも新卒採用のやり方に基本的に違いはありません。でも「B to C企業」は常に消費者に商品やサービスを買っていただくことを意識するあまり、就活学生であると同時に消費者のひとりである皆さんに対してその企業のファンになってもらえるような気配りが感じられるかもしれません。

樹: 就活も販売促進の機会ととらえているのか。せこいな~。

いえいえ、そこまでは言っていませんが、不幸にして不採用になってもその会社の商品やサービスを買い続けて頂きたいと考えていることは間違いありません。

環: 私だったら忘れるまで落とされた会社の商品は買わないわ。

「B to B企業」の社員は原材料や燃料などを購入する場合も(これを「川上側」といいます)、作った製品を二次メーカーや小売店などに販売する場合も(これを「川下側」といいます)、その取引先の数がある程度限定されているといいました。また自分の会社のブランドが最終的な消費者の目に触れる機会が少ない(部品などを考えてみて下さい)ことから不特定多数の消費者に対する意識には「B to C企業」との間で少し温度差があるかもしれません。

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就活という言葉は学生側の立場での求職活動で、企業側の立場に置き換えていうと採用活動になります。採用活動といっても、楽天の田中将大投手をヤンキースが獲得したような、ひとりの人材(才能)に目をつけて採用する場合は、必要とする度合いが高ければ高いほどその人の感性に合致するような条件を提供できるかが勝負を分けることになります。ヘッドハンティングなど、採用数が限定されている場合も同様でしょう。

しかし皆さんの場合は新卒一括採用ということで、人数は企業によって差はあるものの、かなりまとまった数の求人です。採用条件は皆横並びです。応募者数はそのウン倍にもなる訳ですから、採用決定に至るプロセスは分業化されることになります。筆記試験はほとんどマークシート方式ですから足切りの点数だけ(残したい人数だけ)決めておけば自動的に選考できます。しかしエントリーシートの評価や面接などはあらかじめ評価者の間で基準を作っておく必要があるのですが、応募者数が多くなるとこれがなかなか難しい作業になります。


B to C企業は一般消費者を意識している度合いが強いとはいえ……。
樹: この会社、大丈夫か……。

イラスト / たかはし たまき