もし就活学生がマーケティングを勉強したら 7 マクロな視点と同時に
ミクロな視点も大事 

(2012.07.23)

前回のマクロ環境に対立する概念がミクロ環境です。世の中がこうなっているのに対して個別の企業、学生一人ひとりがどうなっているかということです。世の中の動きと同調、連動していく動きもあるでしょうし、そうではない動きもあるでしょう。企業の経済活動について例をあげましょう。「少子・高齢化」というマクロ環境の変化で、これまで赤ちゃん用紙おむつを製造して利益をあげていた企業が利益をあげにくくなってきました。

そこで利幅の大きい高級紙おむつを製造して販売数は減ってもこれまで以上の利益をあげようとするA社、あるいは他社のまねできない低価格で販売し、他社のシェアを奪うことで利益を増やそうとするB社などが現れるでしょう。これから人口増加が見込まれる海外市場に進出しようと考えるC社、老人用・介護用紙おむつ製造に技術を転用して利益をあげようとするD社もあるかもしれません。これは各社個別のどうやってもうけるかというミクロな戦略の問題です。

就活市場に参入する学生さんの場合、企業にとって最初に目につくのは○○大学△△学部のAさんということになります。たまたま受験する時点での偏差値が近かったとか、大学に通えるところに家があったといった理由で同じ大学で学ぶことになったのですが(もちろんどうしてもその大学でなければ学ぶことのできないテーマがあったという方もいらっしゃると思いますが、そういった方はこのコラムを読む必要のない方ではないかと思います。)、皆さんはキャンパスを見廻して自分とそっくりだなあなんて思う人は一人もいないと思います。

容姿はもちろん、性格も趣味も、何に力を入れて学生生活を送っているのか、勉強なのか、部活・サークルなのか、あるいはバイトなのか、様々でしょう。では自分はどう他人と違うのか、そして(これが最も大事なのですが)自分が働きたいと思う企業にふさわしいのか、それを証明するプロセスが就活なのです。

就活を始める段階ではまだ自分が働きたいと思う企業が想像もつかないというのが普通だと思います。それは大学で様々な勉強をしていく中で、またマクロ環境を分析していく中で、少しずつイメージがわいてくるのだと思います。でも現在何に力を入れて学生生活を送っているのかわからないというような方はちょっと心配です。


環:ミクロな視点で分析しなくちゃね~♪
樹:ヒーッ!

イラスト / たかはし たまき