もし就活学生がマーケティングを勉強したら 35企業の側もセグメンテーションの
切り口を模索しています

(2013.02.11)

企業の側でも自分たちの企業にふさわしい、あるいは成長し続けるために必要な人材を集めるために様々なセグメンテーションの切り口を模索しています。それは必ずしも偏差値の高い大学の学生、資格をたくさん持っている学生、英語の得意な学生、というわけではありません。ライバル企業と差別化して企業としての強みを伸ばしていこうと考えている企業ほどそうした傾向が強いといえます。

例えばお母さん向けの商品・サービスを強化していこうと考えている企業の場合、男性よりも女性の活用を考えているのではないでしょうか。それも結婚して子育てなど「お母さん経験」のある社員が多い方が有利といえるでしょう。こうした企業では女子学生でも長く勤める意思のある学生を多く採用したいはずです。こうしたことはその会社の人事制度に現れてきます。出産休暇や育児休暇の制度がどうなっているか、また実際にその制度を利用した社員はどのような仕事をしているのかを調べることでその会社の本気度がわかります。制度だけはあってもそれがあまり有効に活用されていない場合は要注意です。

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またグローバル化で原材料の供給元や製品の販売先が変わって新しい国や地域とのビジネスが積極化するような企業も近年珍しくないわけですが、そうした国や地域に詳しかったり、留学経験があったり、言語ができるといった学生は有利になるはずです。

自分の故郷に本社のある企業であればその企業に骨をうずめる覚悟で仕事をしてくれるのではないかとか、親族や幼馴染などの知人がその企業やその近辺の取引先企業にいてビジネス上有利に働くのではと期待される場合のように、地縁が重宝がられることもあるでしょう。

一番いけないのは、企業側がどんな人材を求めているかとか、自分はどんな強み、他の学生と異なる点をもっているかということを考えずに、人気企業ランキングに上がってくるいわゆるブランド力の高い企業ばかりを狙う行動です。これは偏差値の高い大学の学生に結構多く見られるのですが、確かに自分の大学の先輩が多いということで可能性を感じるのでしょうが、そうした学生が大量に押し寄せても募集人数がそれほど多くない場合、宝くじに当たるような競争率になってしまうことも忘れないで下さい。


人気企業は競争も厳しいのです。
イラスト / たかはし たまき