もし就活学生がマーケティングを勉強したら 10 企業探し、まず業種で整理して
考えてみよう

(2012.08.13)

皆さんが就職先企業を考える時、まずどんな業種の企業が頭に浮かぶでしょうか。世の中にはモノやサービスを生産する人(生産者)とそれらを消費する人(消費者)がいます。皆さんはまだ消費者でしかない(皆さんは消費税は払ったことがあるでしょう)のですが、就職を機に生産者にもなるということです。

モノを生産する企業を製造業(メーカー)といいますが、これも千差万別です。皆さんが実際に使っているようなモノ(これを消費財といいます)もあれば、消費財を作るためのモノ、つまり部品や工場で使う機械など(これを産業材といいます)もあります。消費財メーカーは皆さんもお店でその商品を見たり、実際に使ったり、あるいは広告に接したりしている企業が多いので、それが志望動機につながることがあります。例えばA社の化粧品をずっと使っていて非常に気に入っているのでこの会社に入ってもっと多くの人にA社の化粧品を多くの人に使ってもらいたい、などと考えるケースです。

消費財と比べると産業材メーカーは店頭で商品が売られていたり、広告に接したりする機会が少ないのですが、実は日本には世界で高いシェアを上げている産業材メーカーが結構あるのです。産業材メーカーは匠の技といわれるような高度なモノづくり、それも簡単にコピー出来ない技術を持っています。親戚が勤めているとか、理系で技術的な知識を持っている人でないとなかなか産業財メーカーとの接点は見つけにくいかもしれませんが、文系でも新聞、特に産業面などによく目を通している人は産業材の隠れたグローバル企業をいくつか思いつくでしょう。

友達とこうしたメーカーをどのくらい知っているか、業種別に知識を競い合ってみましょう。そこから「その製品のこと、会社のこと、もっと調べてみよう。」と興味を持つ中で「志望動機」が見つかるのです。例えば「なんだ、この会社の社長、うちの大学の先輩じゃん。大学でどんなこと勉強してたのかな。」とか「この会社、母さんの実家の近くに工場があるんだ。今度祖父さんにこの会社のこと聞いてみよう。」なんていうことの中に運命的な出会いが生まれたりするのです。


樹:日本のモノづくりはスバラシイ!……
環:……

イラスト / たかはし たまき