もし就活学生がマーケティングを勉強したら 53新卒学生に求められる
本質的な機能とは何でしょう?

(2013.06.17)

企業が新卒学生に求める本質的な機能と表層的な機能を区分するポイントは何でしょうか? 企業はその規模や歴史によって異なりますが、通常かなり幅広い年齢層の方々が働いています。企業は本人の経験や能力、本人の希望なども勘案しながら組織全体として最大の成果を上げるように、そしてそれが長く続いていくような人員配置を常に考えていくことになります。

しかし、新卒採用者の場合、その会社で仕事をする潜在的な能力を見るといっても、どんな学校でどんなことを勉強したのか、アルバイトではどんな経験をしたのか、くらいの情報しかないわけで、企業の人事担当者もその会社への適性を判断したり配属先を決定したりするのはなかなか難しいことです。また新卒採用者の方もアルバイト程度の限られた就労経験と新入社員研修だけで自分にとって天職とも思えるような仕事に巡り合える人というのはよっぽど運のよい人でしょう。

***

環: でも、英語力が大切とか、パソコンが使えなきゃダメとか言われているじゃん!

それらは、どんな業種の、どんな部署に配属されたとしても基礎的なビジネススキルとして求められる可能性が高いと言っているにすぎません。いくら英語に自信があって、ネイティブ並みの英語力があるからといっていきなり海外の取引先との交渉の場で活躍させてもらえるようなことはありません。

取引する商品や技術的な構造に関する知識、その業界の商慣習やこれまでの取引実績についての理解、そして交渉する相手企業の内部事情や人間関係など、あらゆることを身につけて初めて交渉したり、契約書を交わしたりする仕事に携わることが出来るようになるのです。語学力というのはそのためのツールにすぎません。

樹: じゃあ、オレたちの本質的な機能って何?

それはあなたたちが会社に入って先輩からありとあらゆることを吸収してビジネスを拡大、収益を上げていく成長の可能性、のびしろがどのくらいあるかということなのです。

環: それって具体的には?

まず健康で、目がキラキラ輝いていて、人の話を素直にきちんと聞いて理解が出来て、そしてひとりよがりの判断をせず抱いた疑問はその場で先輩に質問したり、自分で調べたりして解決していく誠実さと向上心を持ち合わせている人です。皆さんはまだ若く、これからどのように成長していくのか、無限の可能性があるのですから。


企業は長い目で皆さんの成長を見ているのです。
イラスト / たかはし たまき