もし就活学生がマーケティングを勉強したら 40就活における自分の価値は
どこにあるのでしょうか?

(2013.03.18)

企業の新卒採用もそれがないとすぐ企業が立ち行かなくなるといったものではありません。本当に今必要な人材は企業内部での配置転換や中途採用で補填するのが普通です。その方が効率的に仕事を廻していくことが出来るからです。新卒採用者の戦力化には相当の年月がかかります。それでも新卒を採用するのは長期的な視点に立って企業を成長させようと考えているからです。

ですから企業は学生の皆さんを見る時にその点を最重視します。就活の時点がその学生にとってピークであるようなことはあり得ません。学校での勉強は大学を卒業することでひと段落するかもしれませんが、それはあくまでも大卒という資格を取るための勉強であって、皆さんの人間としての勉強は仕事を持つことによってこれからさらに深まっていきます。また結婚して家族が増えたりするようなことがあればそれだけ社会とのかかわりも増えていきますし、責任も増していくことになります。そうした皆さんの成長のベクトルが皆さんがそこで働きたいと考える企業の成長していくベクトルと一致するか、採用する側の企業はそこを確かめたいのです。しかしこれは容易なことではありません。

学生の皆さんの頑張った証(あかし)として成績、資格とか何かのテストの点数、あるいは賞といったものがあるのですが、それらはそれぞれ母集団が異なっており、またそれにかけたエネルギーと成果との関係は人それぞれなので、大学入試センター試験の点数のように単純に比較することは出来ません。

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帰国子女で英語がペラペラの学生は今では珍しくない訳ですが、こういう学生に国内でしか英語を勉強する機会に恵まれなかった学生が英語力で勝負するのは難しいかもしれません。しかし帰国子女の学生に対しては英語以外の部分でどのような価値を提供してくれそうか、あるいは日本企業であれば日本人的な価値観が欠落していることはないか、チームワークがきちんととれるだろうかといった点が厳しくチェックされるでしょう。

一方、英語を学んだ環境は恵まれていなくても英語力をひとつの武器にしようという学生に対しては成果を上げるためにどのような努力をしてきたのか、どのようなアイディアを実践してきたのか、それを通してどれだけの成果を残したのか、こういった部分から評価しようとするでしょう。もし英語以外の言語が必要な海外市場とのビジネスを拡大しようと考える企業にとってはむしろ後者の学生の方が評価されるかもしれません。


樹:「大分差別化したけど、こんなところに会社なんかあるのか?」
イラスト / たかはし たまき