もし就活学生がマーケティングを勉強したら 31企業の採用の手間が
増大しています

(2013.01.14)

AIDMA(アイドマ)の法則は企業側の採用についてもあてはまります。基本的には企業は学生の皆さんのエントリーによって入社希望の学生の存在に気づき(Attention)ます。基本的にといったのは、これ以外にもルートがあるのですが、ここではあまり触れません。例えば、毎年のように特定の大学の特定のゼミや研究室から採用しているような企業の場合、就活の時期になると企業の社員が先生のところを「今年もいい学生さん、いませんか?」などと訪ねてきたりします。そこで学生の情報をゲットし、エントリーを働き掛けるようなことをやっています。プロ野球もドラフト制度が出来る前はそれぞれの球団が有望な高校生、大学生、社会人の野球選手と直接入団交渉を行っていました。もちろん有力選手のところには多くの球団が殺到し、札束を積んで競争したという話も残っています。(このようなことから自由競争では宜しくないということでドラフト制度が生まれました。)

***

しかし今の新卒一括採用の就活市場は買い手市場です。企業側はちょっと募集告知をするだけで多くの学生が集まるようになりました。またインターネットのテクノロジーのおかげでエントリーそのものが簡単にできるようになりました。そのおかげでエントリーした学生の中から本当にこの会社に相応しい人材かどうかを調べて、興味・関心(Interest)を抱き、この学生を採用しよう(Desire)と判定するプロセスに非常に手間がかかるようになってしまいました。

また就活市場は自由競争の市場取引です。この学生ならと思って折角多くの志願者の中から苦労して見出して内々定を出した学生がその後で別の企業に奪われてしまうこともあるのです。また就活時期が昔に比べて早まっていることで内々定を出した後で学生本人が心変わりして別の進路を選択することもないことではありません。

「内定→入社」という行動(Action)に至るまでには企業の側でも多くの苦労があるのです。

企業:是非ともわが社に!
イラスト / たかはし たまき