もし就活学生がマーケティングを勉強したら80就活でのイミテーションは
有効でしょうか?

(2013.12.23)

新卒採用を行なっているのは生まれたばかりのようなベンチャー企業とは違って売上高も社員数もそれなりの規模に成長した企業ばかりです。当然ビジネスを行なっていくための作法というものが固まっており、その最もわかりやすい例がリクルートスーツに代表されるようなビジネスパーソンの外見的な特徴を取り込むというものです。

しかし何よりも大切なのは中味、この学生があと何か月かしてこの会社に入社して自分のいる部署に配属されてきた時に彼(彼女)とうまく意思疎通できて一緒に仕事をすることが出来るだろうかということです。もちろん仕事のことは一から教えなければならないのですが、採用する企業側からすればそうした教育を含めて円滑なコミュニケーションを構築できるだろうかという点が最も気掛かりな点です。そういった不安をひとつひとつ取り除いていくのが就活のプロセスであり、そのためにもイミテーションは有効なのです。

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説明会で業務内容など説明される先輩社員、OB・OG訪問した際に対応してくれた先輩社員、彼らはすべて皆さんにとって「お手本」です。お辞儀の仕方や名刺の受け渡し方はもちろん、話し方、表情の作り方、スーツの着こなし方からお化粧やヘアスタイル、姿勢や歩き方に至るまで徹底的に観察してみて下さい。そして日頃の皆さんと比較してみて、ああ、こっちの方が社会人らしいな、と感じる部分があればどんどん取り入れていって下さい。

もちろん先輩社員の方々も神様ではありませんからすべてにわたって完璧という訳にはいかないかもしれません。昨夜遅くまで残業したおかげでお化粧ののりがよくなかったり、ちょっと髭のそり残しがあったり、といったこともあるかもしれません。

また後輩に話す気安さからつい学生調の言葉遣いが出てしまうことがあるかもしれません。そういった細々としたことを気がつくようになれば皆さんのイミテーション度合いは相当高まったといっていいでしょう。就活マニュアルなどに書かれていることをひとつひとつチェックして出来ていると思っていてもそれが突発的な状況の中で出てくるかどうか、一連の動作の流れの中で自然に出てくるかどうかは別問題であることが多いのです。

エントリーシートではそこに書いたことの中味、面接ではそこでしゃべったことの中味が大事だというのはもちろんなのですが、エントリーシートの文字にこの会社に入りたいという熱意が感じられるか、面接で部屋に入ってから着席するまでの歩き方や表情もしっかり見られているのです。エントリーシートの余白に汚れがあったり、歩く姿勢が悪かったりするとがっかりしてしまうのです。


樹: なるほど、なるほど…

イラスト / たかはし たまき