もし就活学生がマーケティングを勉強したら 8 ポートフォリオ・モデルを使って
分析してみよう

(2012.07.30)

ここで一つ少しかっこよく見えるマーケティング分析のためのツールを紹介しましょう。BCGポートフォリオ・モデルといわれるものです。BCGはBoston Consulting Groupという世界的なコンサルティング会社の略で注射とは違います。企業でも企画部門にいらっしゃる方がよくこれに類した事業分析をおこなって役員に提案するといったことをやっています。

ある事業のマーケットシェアを横軸に、その事業の成長率を縦軸に、4つの象限に分けてそれぞれの事業や企業のポジショニングをすることで現状を把握し、今後の事業戦略を考えていこうとするものです。テータさえ集められれば皆さんもエクセルで簡単に作れるモデルです。右上の「問題児」は事業の参入段階で、それが軌道に乗ると「花形」に移ります。そこである程度成熟すると成長率は鈍化しますが、高いマーケットシェアにより再投資に回せるようなもうけを生み出すことが可能となる「カネのなる木」に移り、最後は衰退段階にある「負け犬」になって終わるというライフサイクルを描いています。

もちろん企業は未来永劫存続することを前提に事業を行っているので、「カネのなる木」の事業を少しでも長く存続させるような手を打ったり、ある事業が衰退してもそれに代わる新事業を探したりしています。皆さんが個別の企業のミクロ分析をするにあたって、その企業の事業が、この4つの象限のどこにあるのか、友達と議論しながら考えてみるのも面白いでしょう。

皆さんは人生においてこのポートフォリオで考えると「問題児」のポジションにあるのだと思います。無限の成長の可能性を秘めているけれども現時点では世の中での存在感は低い(それは皆さんは未成年だったり扶養家族だったりするので当然です。)これからがスタートです。


樹:燃え尽きたぜ…。
環:樹クン! 就活はこれからよ!!

イラスト / たかはし たまき