もし就活学生がマーケティングを勉強したら78イノベーションとイミテーションの
違いはなんでしょう?

(2013.12.09)

企業にとって競争社会で勝ち残っていくためにはイノベーションが欠かせないといいました。またそのために企業は皆さんのような若いタレントを求めて新卒採用を行なうともいいました。しかし皆さんのまわりで毎年登場する新商品、新サービスといわれるものにどれほどのイノベーションがあるでしょうか。

樹: 確かにテレビでもよく新発売って広告してるけど、これまでの商品とどれだけ違うのかっていうのが多いよ。
環: ちょっと成分が変わったとか、パッケージが変わったとか…。

固定電話しかなかったところに携帯電話が生まれたとか、ガソリンでしか走らなかったクルマが電気でも走るようになったというのはわかりやすい(インパクトのある)イノベーションですが、これまでになかった全く新しいものというのはそんなに頻繁には生まれるものではありません。

樹: それじゃあイノベーションが大事といっても意味ないじゃん?

いえいえ、意味があるからこそ企業は研究開発に投資をしている訳ですが、現実はそんなに甘くはないということです。

環: それじゃ企業はどうやって儲けていくの?

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私たちがイノベーションを起こそうとして生み出しているもののほとんどはイノベーションではなく、何らかの形で先行する商品・サービスを模倣したイミテーションだということです。他の業界やカテゴリーでは既に当たり前になっているものでも別の業界やカテゴリーに持っていって適応させることで「これまでになかった全く新しいもの」として注目され支持された商品・サービスの例はたくさんあるでしょう。既存商品の軽量化、小型化といった分野では日本はこれまで多くの実績を上げており、まさにお家芸といわれてきました。

本当の新しさの創造を追求していけば、なかなか成功するまでには至らず、コストのみがかかり続けることにもなりかねません。そういった企業のリスクを防ぎ、着実に成長を続けるためにもイミテーションは有効なのです。もちろん知的所有権保護の立場からイミテーションにも厳しい目が向けられており、いかにイミテーションと判断されないようにするかで厳しい戦いが繰り広げられています。

樹: おまえは誰だ!

イラスト / たかはし たまき