もし就活学生がマーケティングを勉強したら 52採用側の企業に満足度をもたらす
要素は何でしょうか?

(2013.06.10)

顧客に満足をもたらす要素は2種類あります。

ひとつは顧客が当然受け取ることが出来るだろうと考えている機能です。清涼飲料であれば、のどの渇きが癒せて美味しい、身体にも悪くない、などといった要素、洗剤であれば、汚れがきれいに落ちる、すすぎも簡単、生地も傷めない、といったところでしょうか。そういった、商品にとっての本質的な機能が満たされない場合、私たちは不満を強めることになります。

一方、清涼飲料や洗剤のボトルデザインがカッコイイ、ネーミングがカワイイ、などというのは必ずしもすべての顧客が期待している機能とはいえません。人によっても受け取り方が異なってくる表層的な機能といえるでしょう。また清涼飲料でもビタミンCが含まれているとちょっと健康にもよいというイメージを与え、うれしくなったりします。洗剤でも天然の原料を使用しているので地球にやさしいなどと耳元でささやかれるとつい買ってみようかという気になったりします。

でも、これらはその商品の本質的な価値とは少し違うと思います。これらは満足度を高める要因にはなっても、こうした機能がないからといって商品そのものに不満足にはなりません。

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企業は商品開発をする際に顧客がその商品に求めている本質的な機能と表層的な機能を見誤ると、市場に受け入れられない、市場導入に失敗するということになります。本質的な機能でライバル商品に見劣りしている場合は同じターゲットに同じ価格で販売することは難しくなります。またつい表層的な機能に目を奪われてその商品を購入してしまった顧客が本質的な機能で見劣りしていることに気づいた場合その企業に相当失望することになるでしょう。

樹: 炎上ってやつ?
環: だまされる人も悪いのよ。

これを就活に置き換えると、企業が学生に求める本質的な機能と表層的な機能の仕分けを見誤ってはならないということになります。

環: 学生の本質的な機能、表層的な機能って何よ?
樹: 頭がいいかどうかが本質的な機能で、学歴は表層的な機能ってこと?

ウーン、ちょっと難しいですね。どちらも本質的な機能ともいえますし、表層的な機能ともいえます。なぜなら頭がいいかどうかは簡単にはわかりませんし、それがその企業にとってどう役立つのかはもっとわかりません。また学歴がその後のキャリアに大きな影響を与える仕事があるのも事実です。


樹: ウーン、すごいネーミングだけど本当にきれいになるのかな?

イラスト / たかはし たまき