もし就活学生がマーケティングを勉強したら 22これまでの人生を振り返って
自分が夢中になったことって?

(2012.11.05)

それではSWOT分析、具体的に始めてみましょう。それでは環サン、用意はいいですか。ところで環サンはどんな業種や企業に興味があるのでしょう?

環:「私は旅行業界や販売の仕事に興味があります。旅行はもともと好きだし、高校時代から海外旅行にもよく行ってたわ。おかげで語学はちょっと自信があるの。いろいろ情報を調べて旅行の計画を立てるのも大好き。ゼミ合宿や友達と旅行する時もいつも私が幹事をするの。販売は高校の学園祭の時から私が売り子をやるとグーンと売上が伸びるのよねー。快感だわー。」

樹:「…無理やり買わされてんじゃねーの…」

なるほど環サンはなかなか行動的な女子学生のようですね。自分の好きなこと、うまくいった経験に着眼して就活を考えていくことは理にかなったやり方です。旅行会社に就職できたとしても皆、観光地に旅行することが仕事になる訳ではなりませんが、就職する会社の商品やサービスに興味・関心が高いことはとっても重要なことです。販売の仕事も、何を売るか、誰に売るかで、大分変わってきます。環サンは誰に何を売りたいのでしょう?

環:「それはヤッパ、美味しいものとか、おしゃれな服とか、化粧品なんかもいいかなー。」

樹:「…それって自分がほしいものじゃねーの……」

***

販売の仕事といっても様々です。店頭で服とか化粧品とかを販売する仕事は実際にお客様の顔を見ながらセールストークを考えたりする仕事になりますが、メーカーなどの企業に部品や燃料を売る仕事も販売の仕事です。こちらは競争相手に負けないように少しでもよい条件で仕入れようとする購買部門の厳しい担当者を相手にする販売の仕事です。

もちろん相手も人間ですし、価格が安いことだけが価値ではありません。実際に商品やサービスをお買い上げいただく顧客と良好な人間関係を構築し、顧客の求めているものをどのように提供したら喜んで買っていただけるのか、長期的な視点で考える必要があります。友達や学内の顔見知りにモノを売るのとはちょっと違います。販売については、環サン、もうちょっと具体的な仕事のイメージをつかむような業界研究をした方がよさそうですね。

自分の好きなことを職業にするからといって自分がその好きなことを出来る訳ではありません。
イラスト / たかはし たまき