片岡英彦のNGOな人々 (Non-Gaman Optimists)~超世代対談 前金融大臣中塚一宏&テレパシー~アイドルが日本の
景気を良くする!? ~後編~

(2013.05.16)

「NGOな人々」”Non-GAMAN-Optimist”とは「ガマン」していられず、チャレンジをし続け、決して諦めない 「楽観人」。NGOな人々へのインタビューです。第27回目は2回に渡り、野田内閣で金融担当大臣等を務められた中塚一宏氏に“宇宙初”のエアギター・アイドルのテレパシーの皆さんに、日本の経済の素朴な質問や、今後のチャレンジについてなど、対談形式で色々な質問をして頂きました。

■中塚一宏氏プロフィール

中塚一宏(なかつか・いっこう)1965年生まれ。京都大学工学部卒。内閣府副大臣(野田内閣・野田第1次改造内閣・野田第2次改造内閣)、復興副大臣(野田第1次改造内閣・野田第2次改造内閣)、内閣府特命担当大臣(金融、少子化対策、「新しい公共」、男女共同参画)等を歴任。
中塚一宏公式サイト

■テレパシー プロフィール

フォーライフミュージックエンタテイメントのアイドルプロジェクトとして、2012年春から行われた「エアドルオーディション」で選ばれた12人の「F.A.R.M.」メンバーから誕生した第1弾ユニット。自称宇宙初のエアギター・アイドルとして2012年9月に結成された。
テレパシー公式サイトhttp://telepathy.asia


左:佐々木美紅(もじゃ)「テレビでアイドルが裏で努力をしているのを見て、だからみんなの前では笑顔で夢を与えられるんだなぁって。」
右:名倉七海(ななみん)「今までのアイドルと違う感じがしたからやってみたいなっかなって思って。」


左:君村マキ(まっきー)「幼稚園の頃にモーニング娘。がものすごく流行って。もう大好きで。自分もなりたいけどなぁ…って。」
右:前嶋菜子(なこ)「7年間ダンスをやっていて、歌とダンスの両方で自分を表現できるのってなんだろうって思ってアイドルを目指しました。」


三上真依(まぽ)「アイドルになったきっかけか…。ただ、アイドルをやりたかったんです。(笑)」

■CDを売りたい?ライブに来て欲しい?究極の選択。

片岡:ではここで経済以外のことについても何か質問があれば伺ってみましょうか。

テレパシー 美紅:人気者になるのはどうしたらいいですか(笑)。

中塚:うーん(笑)。

テレパシー 美紅:経済の問題よりも難しいですか(笑)?

中塚:それがわかれば、自分がアイドルになってますよ。(笑)うーんなんだろう。でも、もうみなさんはデビューして、ステージの上に立ってるんだから、すでに人気アイドルなんじゃない?

テレパシー 美紅:おぉー!

片岡:「今年、注目のアイドル」って言われてますよね。

テレパシー 美紅:えっ!? そうなんですか?

片岡:知らなかった?(笑)

中塚:デビューできたってことは、売れるより難しいことかもしれないよ。デビューしたい人って日本中にいっぱいいるんでしょ?そういう人たちの中でデビューできてるんだから。あとはブレイクするタイミングだけだよね、逆をいうと(笑)。

片岡:テレパシーのみなさんのがんばりと、あとは事務所とレコード会社とプロデューサーのがんばりですね(周囲のスタッフを見回しながら。)(笑)逆に中塚さんからテレパシーに何か聞いてみたいことありますか?

中塚:CDを沢山売りたいですか?それともライブに大勢のファンに来て欲しいですか?

テレパシー 真依:ライブには来て欲しいけど、やっぱり来られない人っているじゃないですか。CDだとそういう人にも伝えられるからなぁ。

テレパシー 七海:でもあれじゃない?CD売れた方が、景気も良くなるんじゃない?

一同爆笑

***

テレパシー マキ:すごいたくさん、色んな人に私たちの音楽を伝えられるって考えたら、やっぱりCDが売れた方がいいのかなぁ。

テレパシー 菜子:でもどっちもいいよね。ライブに来てもらうのも、CDで聴いてもらうのも。

テレパシー 美紅:私は生で観て欲しい!そっちの方が、自分たちはパワーを貰える気がするし。

片岡:そこはやっぱり、生の声というか、ファンとの直接触れ合える場所が欲しいっていうのはあるんだね。

テレパシー 美紅:自分たちからも直接力を与えられるし、ファンからも貰えるし。

テレパシー 七海:ライブかCDか。究極の選択だなぁ。


いやーでもいいですね。「どうしてアイドルになったの?」「やりたかったから」って、すごく力強い答えですよ。」

■「アイドルがやりたかったから」と言える力強さ。

中塚:みんなこの仕事で、一生がんばっていこうと思ってるんですか?

テレパシー 美紅:まだ始めたばっかりなんで…(笑)

一同爆笑

中塚:なぜアイドルになろうと思ったの?なろうと思ってなれるものじゃないですよね?

テレパシー 美紅:あーそれには「色々」あるんですよ。

片岡:「色々」って・・・(笑)では、おひとりずつアイドルになるまでの道のりを。

テレパシー 真依:私は小さい時から歌ったり、人を笑顔にしたりすることが好きで。そういう自分が好きな事を出来るのって何だろうなぁって考えたら、アイドルかなって思ったんです。それで、実際やってみたらやっぱりすごい楽しくて、ファンのみなさんからがんばれー!とかいっぱい言われたらすごく嬉しいんです。あ、アイドルになったきっかけか…。ただ、アイドルをやりたかったんです。(笑)

テレパシー 七海:あんまり興味なかったんですけど(笑)、オーディションの話を聞いて今までのアイドルと違う感じがしたからやってみたいなっかなって思っていたら受かることができて。やってよかったなと今は思ってます!

テレパシー 美紅:最初は別にアイドルになりたいとか、私がなれるとかは思ってなかったですけど、テレビでアイドルに密着したドキュメンタリー番組を観たんですよ。そしたらカメラの前ではかわいい衣装でキラキラしているアイドルが、裏ですっごい努力したり、自分と戦ったりしてる姿があって。アイドルってこんなに辛い努力していて、そういうそのうちだんだんアイドルに対する憧れが強くなったんです。

テレパシー 菜子:私は7年間ダンスをやっていたんです。自分を表現するのが大好きで。歌も好きだったから、歌とダンスの両方で自分を表現できるのってなんだろうって思ったら、アイドルだって思い付いて、それからアイドルを目指したんです。

テレパシー マキ:私は幼稚園の頃にモーニング娘。がすごく流行って。もう大好きで。自分もなりたいけどなぁ…って思っていたんですけど、なれるはずないかって。歌も踊りも得意じゃなかったし。でもオーディション受けたら、受かったんです。アイドルになれるんだぁ!って思いました。

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片岡:ひとりひとり、それぞれ違う物語があるんだなぁ。

中塚:いやーでもいいですね。「どうしてアイドルになったの?」「やりたかったから」って、すごく力強い答えですよ。私もよく「なんで政治家になったんですか?」って聞かれるけど、「やりたかったから」なんて答えたら周りの人達に張り倒されそうな気がする。(笑)

片岡:なんで中塚さんは政治家になったんですか?

中塚:やりたかったから。(笑)

一同爆笑

中塚:私も皆さんと全く同じ。やりたいと思ったけど、まさか政治家になれるとは思っていなかった。じゃあなんでやりたいと思ったのって聞かれたら、人が喜ぶ姿を見るのが好きだから。人のためになるってことが、最高の人生だと私は思っているんです。人のために色々なことをしてあげるってことが。人間って人のために生きるべきだと思っていますから。だから、それが出来る仕事ってなんだろうなぁと思って。私はアイドルにはなれないしね。(笑)

片岡:さすがにアイドルは目指さなかった。(笑)

中塚:(笑)。それで政治家かなって思ったんですよね。じゃあやってみようって思って政治家になったのです。でもそれはやっぱり「やりたかったから」ですよね。何の迷いもなく「やりたかったから」って言えるのは、力強いですよ。

■インタビューを終えて

先の衆院選は民主党にとっては激しい逆風選挙となりました。現職大臣が何人も落選する前代未聞の総選挙となり、中塚一宏氏も議員や大臣として在職中の多くの実績にも関わらず惜敗し辛酸を嘗めました。私は選挙特番を見ながら、個人の力ではどうにもならない「時代の風」といいますか世論の「ウネリ」のようなものを感じました。その一方、テレパシーの皆さんは、昨年9月に結成。「どうしてアイドルになったの?」という中塚氏から問いに、間髪入れず「やりたかったからです。」と力強く答える2013年注目のアイドルユニットです。組織や企業もどういう方向で勝ち残っていけばよいのか、誰もが100%の確信を持てず「不安」を感じる時代ですが、結局は「やりたかったからやる!」と言い切れる個人の思いの強さ、その思いを支える「チームワーク」(ネットワーク)が、新しい次の「ウネリ」を、既成の組織や団体に変わって作っていく、面白い時代になっていくのではないでしょうか?