もし就活学生がマーケティングを勉強したら 33セグメンテーションとは
何でしょう?

(2013.01.28)

マーケティングの教科書の中でよく出てくるキーワードにセグメンテーション(segmentation)というものがあります。これは区分とか分割という意味ですが、マーケティングにおいてはマーケット・セグメンテーション、つまり大きな市場を分割して小規模の市場に絞り込むという意味で用います。

市場全体を対象に販売促進活動を行うと費用がかかりすぎて十分な利益を上げることが難しくなります。それで自分の会社の製品やサービスが受け入れられそうな一部に絞り込むことで無駄を少なくしようとするわけです。効率を重視する合理的なアメリカ人が好みそうな考え方で、広く受け入れられてきました。

しかし一番重要なのはどうやって市場を絞り込むのか、どのような基準で市場を分割するのかということです。マーケティングの教科書には性別や年齢、ライフスタイルなどの切り口が紹介されています。こうしたセグメンテーションの切り口はかなり定番化したもので、使い古された感があります。また私たち生活者のライフスタイルや価値観も多様化したので従来のセグメンテーションの切り口では利益が上げにくくなってきています。

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例えば、皆さんのご両親の時代はランドセルといえば男の子は黒、女の子は赤と決まっていましたが、それでは面白くない、もっと違う色がいいというニーズが高まることによって多様なカラーバリエーションが登場し、どこまでが男の子用でどこからが女の子用なのか分かりにくくなってきました。性別で色を決めつけるのではなく、あくまでも一人ひとりの好みで選んでもらおうと製品開発をする企業が出てきたのです。もちろん多様なカラーバリエーションを用意することはそれだけコストがかかることですのでこれまでと同じ価格で売ることは難しくなるわけですが、様々な企業努力をすることでカラーバリエーションが市場に浸透していったわけです。

従来にないセグメンテーションの基準を考え出し、それが市場に受け入れられた時、その企業が市場の勝ち組になっていくのです。

それでは皆さんの就活においてセグメンテーションというのはどのような意味を持ってくるのでしょうか。


セグメンテーションの基準。どこまでが環さん、樹くんでしょう?
イラスト / たかはし たまき