もし就活学生がマーケティングを勉強したら 29Q&A編 自己PRの方法がわからず困っています。

(2012.12.25)

Q:自己PRの方法がわからず困っています。(大学3年生・男子)

エントリーシートを書く時、面接で話す時には、どんな質問であっても、まず、相手が何を期待しているかを考えることがポイントです。企業が「自己PR」を聞く目的は何か、考えてみましょう。企業は、あなたがどのような能力を持っているのか、それは自分たちが求めている能力なのか、ということを見極めるために聞くのです。それに応えなければなりません。相手にわかりやすいよう、具体例を用いて、どんな能力を持っているかを表現します。もちろん、「仕事で活きる能力」であることが条件です。例えば「無遅刻無欠席」のような社会人として当然のことは、あまりお勧めしません。その企業ではどのような能力が求められているかということをよく考えて、魅力的な自己PRをしましょう!

Q:興味のある業界が、ひとつに絞れません……。(大学3年生・男子)

必ずしも、ひとつに絞ることはありません。毎年、複数の業界から内定をもらう学生はたくさんいます。ただし、ひとつ大事なポイントがあります。業界を絞らない状態で、就活がうまくいく学生たちには共通点があり、「やりたいことが明確である」ということ。それを実現できる業界が、複数あるから、複数受ける。ただそれだけのことなのです。やりたいことがバラバラで、受ける業界もバラバラでは、うまくいきません。「やりたいこと」とは、「誰のために何をどうしたい」とか、「世の中をもっとこうしたい」ということです。そこが明確であれば、軸がブレることもなく、説得力のある志望動機を伝えることができますよ!

Q:エントリーって何社くらいすればいいんですか?(大学3年生・女子)

学生の平均エントリー数は毎年80~90社というデータが出ています。じゃあ、そのくらいすればいいのか! というのは間違いで、問題は数ではなく「エントリーする企業をどう選ぶか」というところにあります。手当たり次第にエントリーするのではなく、1社1社、きちんと吟味すること。大手企業、中小企業など、リスクヘッジも含めて全体のバランスを考えること。そして、自分自身のキャパシティをきちんと認識した上で、エントリーしていくことが、大切です。どんな企業かもわからないのに、「希望の業界だから」という理由で片っ端からエントリーをしていくと、パンクしますよ!気をつけましょう。

Q:資格は持っていると有利なのですか?(大学3年生・男子)

経団連が企業に対して行った「選考にあたって特に重視した点」というアンケートの結果で、「保有資格」を上げた企業はほんの1.3%です。ちなみに、コミュニケーション能力が1位で80.2%、そのあと主体性、協調性、チャレンジ精神……と続き、保有資格は21位。ということは、全く意味ないの? というと、そうではありません。アンケート結果から、企業が学生の保有資格を見て採用を決めるということは、ほぼない、と言えますが、資格取得を志してから、実際に取得するまでのエピソードで、チャレンジ精神など、企業が重視する要素をアピールできればプラスになります。企業が注目するのは、その資格に挑戦した動機と、資格を取得するまでの努力の過程です!

樹:樹流手裏剣式エントリーだぜ。
環:エントリーはたくさんすればいいってもんじゃないのよ!
イラスト / たかはし たまき