もし就活学生がマーケティングを勉強したら 27就活にすべり止めは
ありません

(2012.12.10)

残念なことに新卒一括採用では大量の求人があるはずなのに各企業の採用プロセスはほぼ同時期に進むため、内々定を出すタイミングも重なってきます。複数企業の選考プロセスの中に残っていて、このあたりのどこかの企業の中で決まるだろうと思っていても、不幸にして一社からも内々定を得られないこともあり得る話です。その段階で「ああ、やっぱり自分はこの業界(企業)には向いていなかったんだ。」と気づいて方向転換しようと思っても、時既に遅し、選考はすべて終わってしまっているのです。

環&樹:「……」

皆さんは大学受験の時高校や予備校の先生とどのような大学を併願するか、入試日程と偏差値を見比べながら「ここはすべり止め」、「ここは本命」といったことを考えてスケジュールを立てたことと思います。それは大学の方でも自分の大学を受験するであろう学生のこれまでのデータから分析し、どこの大学と競合するか、どこの大学と競合しないかをあらかじめ想定して学生を募集していることになります。

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しかし就活では企業間で選考日が重ならないようにあらかじめ調整してくれるようなことはありません。大学も優秀な人材を集めたいのは同じなのですが、大学で過ごす時間は高々4年間なのに対して企業で過ごす時間は(個人差はありますが)数十年にも及ぶのです。ライバル企業に遠慮などしていたら競争に勝ち残れません。就活のプロセスが進んでいく過程でA社とB社の面接日・時間が重なってしまうということもあるのです。

また大学は合格しても入学を辞退する学生が出ることを見越して定員よりも多めに合格者を出して定員を割らないように配慮します。なぜなら大学の経営は学生の納める授業料などの収入に依存しているからです。しかし企業にとって社員を増やすことは人件費が増えることで経営を圧迫する要因になるのです。もちろん社員が増えて売上が増える効果も見込まれますが、それはある程度経験を積んだ中途採用社員の場合で、新卒採用の社員が本当に戦力になるにはある程度の時間が必要です。無理に採用枠を埋める必要はたいていの企業ではないのです。



環:ここから先は二股はダメです!
樹:エーッ!
イラスト / たかはし たまき