もし就活学生がマーケティングを勉強したら 2 就活は学生と企業の両方が
納得してはじめて成立する市場取引

(2012.06.18)

就活もこの資本主義の世の中で行われている営みである以上、「市場(しじょう)」という概念が登場します。つまりそこには売り手と買い手が存在し、その両方が納得してはじめて成立する取引であるということです。

就活市場における売り手は学生一人ひとりですし、買い手は様々な企業ということになります。皆さんが「あの会社、いいなあ~。あそこで働きたいなあ~。」と思っても、相手の企業が「あの学生、いいなあ~。一緒に働いてくれないかなあ~。」と思ってくれなければ取引は成立しません。

またすべての学生がこの市場に参入する訳ではありません。企業などには勤めずにいきなり起業しよう(つまり、いきなり社長になろう)と考えている人はこの市場には入ってきません。漫画家やミュージシャンになって自分の作品を大勢の人に届けたい、なんて考えている人もそうです。

「ああ、就活がなくて楽そう……」なんて思わないで下さいね。彼らにはおそらく就活する学生の皆さんよりももっともっと厳しい競争が待っているに違いないのですから。

また自分が全く稼がなくても、あるいはほとんど稼がなくてもいいカレ(あるいはカノジョ)を見つける自信のある方は就活しなくてもいいかもしれませんが、そうした方は婚活という別の市場に参入しなければなりません。

そこで毎年発表される学生人気企業ランキングの上位企業から内定を得るのと同様な厳しい競争に参入することになります。

「就活市場と婚活市場、どっちが楽ですか?」という質問に答える客観的なデータを私は持っていませんが、自分の容姿が人並みかちょっとイイくらいの方でしたら就活市場の方が楽かもしれません。


環「どっちも大事よね~。」

イラスト / たかはし たまき