もし就活学生がマーケティングを勉強したら65イノベーションを阻害するものは何でしょうか?

(2013.09.09)

マーケティングは売れる仕組みを創り出すことだと言われます。まず顧客の欲求を理解し、その欲求を満足させる商品・サービスを供給することによって消費者はそれを買いたいと考えるようになります。これが「需要が発生する」ということです。あらかじめわかっている顧客の欲求に応える商品・サービスが提供される訳ですから、ある程度売れるのは当然のことでしょう。

環:でも皆が同じことやっていたら意味ないじゃん。

需要が供給を上回っている間は理論的には売れ続けるわけですが、資本主義の世の中では当然供給する側にも次々とライバルが現れて互いに競争することになります。他社と比べて見劣りする商品・サービスはすぐに売れなくなってしまうでしょう。

樹:それは当然でしょう。でもそうならないように日々努力して価格を安くしたり、品質を向上させるんでしょう?

その通りです。就活市場でも人材を求める企業から採用される、内定をゲットするためには人材を提供する側である皆さんはライバルとなる他の学生との差別化が必要であるとお話してきました。市場における競争に勝っていくために企業がお客様からどんな商品・サービスを求められているのかを理解し、それらを満たす能力を提供できるように学生一人ひとりが差別化の努力を続けるとどうなるでしょう。

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環:どんな努力をするかにもよるけど、皆が同じことやっていたら意味ないじゃん。

その通りです。就活マニュアル的なものに書かれている、就活セミナーなどでよく言われているようなことを皆と同じようにやっていたのではいつまでたっても差別化はできないということです。そこには何かイノベーション的なものが必要ではないでしょうか。

よくイノベーションを阻害するのは過去の成功体験だと言われます。皆さんは大学に入るまでは試験によって選抜されてきました。それで何とかうまくやって来られたので今大学に通っているのでしょう。あらかじめ決められた、しかも答えのある試験範囲の中で一定の成績を収めれば合格する仕組みの中ではイノベーションは生まれません。


試験問題からはイノベーションは生まれません。

イラスト / たかはし たまき