もし就活学生がマーケティングを勉強したら 23就活はエビデンスをどれだけ
用意できるかが肝心です。

(2012.11.12)

ここで環サンのStrengths(強み)の輪郭が少し浮かび上がってきました。強みは「明るく行動的で、チームやグループのリーダー的な役回りが苦手ではなさそうなところ。でも、その成果、具体的なエビデンスはまだ「?」ですけれど。

環:「具体的なエビデンスって?」

それはとてもいい質問ですね。環サンの人柄とか学生生活のことは何も知らない企業の面接官のような人が1分以内で「ナルホド、それはあなたがやったから効果があったんだね。(ウチの会社に入ってもそれは使えそうだな。)」と納得してもらえるようなエピソードです。

環:「……。」

環サン、ちょっと考え込んでしまったようですね。でもまだ大丈夫、それはこれから練り上げていくのです。そのためのプロセスが自己分析なのです。

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さっき語学に自信があるといっていましたが、これも就活の具体的なエビデンスとするためには資格をとったり、TOEICなどの共通テストの点数を残すことが必要です。ここで初めて社会で使えるレベルかどうかが相手に伝わるのです。海外旅行に何回行ったとか、大学の授業でいい点数をとったぐらいでは企業側はあなたの語学力の評価は出来ません。それはパソコンなどのスキルについても同様です。

皆さんの目指す業界や企業によって求められるエビデンスの種類やレベルは異なります。その企業にエントリーするのに必ず求められる、なくてはならないものから、それがあればベター、プラスアルファとして評価されるものまで、必要とされる度合は異なります。業界研究をしながら先輩や大学の就職サポート窓口に確認するようにしましょう。そして実現可能な目標を定めて、早目に必要な資格を取得したりテストを受験するようにしましょう。

ただこうした勉強はあくまでも就活をスムーズに進めていくための準備のひとつにすぎません。とれる可能性の低い資格取得や志望する業界や企業で求められる水準以上の高得点取得に貴重な時間の大半を費やして、大学本来の勉強や就活そのものがおろそかになってしまうことは本末転倒です。資格取得は目的ではなく、あくまでの皆さんの就活の目標を実現するための手段なのです。

樹: 資格のない人はこの先通れませ~ん。
環: エーッ!
イラスト / たかはし たまき