もし就活学生がマーケティングを勉強したら87 「B to B企業」と
「B to C企業」の違いは?

(2014.02.24)

「B to B」と「B to C」の違いは、末尾の「B」と「C」、つまり購買者(顧客)が企業、団体・機関といった大人数の組織なのか、個人あるいは家族といった小集団なのかの違いということになります。この違いにより「B to B取引」は顧客組織のコンセンサスを得るための合理性が重視される理性的な取引になるのに対して、「B to C取引」は顧客個人や家族の代表者が納得できればいい訳ですからその人の感性に合致することが出来れば多少合理性に欠ける取引であっても成立することがあります。

樹: いわゆる衝動買いってやつね。
環: ある、ある。でも後で後悔することが多いのよね。

「B to C企業」では広告宣伝が非常に重要になってきます。皆さんがTVや新聞、ネットで見かける広告はほとんどが「B to C企業」のものでしょう。

環: でも「B to B企業」の広告なんてあるの?

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皆さんが普段接するようなメディアでは少ないかもしれません。皆さんはまだ学生ですから、一消費者の立場でしか広告に接することがありません。しかし社会人になると所属する企業や団体の立場に立っても広告に接することになります。なぜなら購買部門に配属された社員であればその企業の代表という立場でどの企業から部品や原材料を購入するのが得なのかを常に考えることが仕事になるのです。個人と法人、二つの立場を使い分けるようになるということです。

環: 確かにこの会社、誰に何を売ろうとしているのかよくわからないCMってときどき見かけるけど、見るべき人が見ればわかるのね。
樹: わからない人はそのターゲットから外れているってこと?

「B to B企業」は一般消費者の立場ではなじみが薄い企業が多いのですが、実はその国の経済や関連業界にものすごいパワーを持っている企業も少なくないのです。いわゆる「縁の下の力持ち」的な企業といってもいいでしょう。そういった企業に目を向けてみることで皆さんの企業研究も更に深いものになっていくはずです。


環: あなた様はどなた?
B to B企業: 名乗るほどのものでは……。

イラスト / たかはし たまき