もし就活学生がマーケティングを勉強したら 19 長所も短所も使い方次第、
就活に絶対的な尺度はありません

(2012.10.15)

人間だれしも自分のことは自分が一番よく知っていると思っているのですが本当にそうでしょうか?特に欠点については誰しも目をそらしがちです。たとえ欠点だとわかっていても、それはいざとなれば修復可能だと勝手に信じ込んでいたり、それを補って余りある長所の方にばかりに気をとられてしまうことはありませんか?

就活においては、たったひとつの欠点が多くの長所を台無しにしてしまうことが往々にしてあるのです。それに気づかずに同じようなやり方で何社も受けては落ち続けるという失敗を繰り返している先輩が多いのです。これは限られたチャンスと時間を無駄にしていることで、もったいないことです。
もちろん皆さんの中にはたったひとつの長所が多くの欠点を覆い隠してしまい、すんなり内定をゲットする人もたくさんいます。「ナニ、ナニ、その長所って?」と乗り出している環サン、それはひとつではありませんし、また人によって、企業によって異なります。またある企業では長所であるものが、別の企業では短所になったり、あるいはその逆の場合もあるのです。受験の時には皆さんは受験科目の偏差値の目標を設定して、それをいかに高めるかということに努力してきたかと思いますが、それは偏差値が絶対的な尺度として機能してきたからです。しかし、就活ではこうした絶対的な尺度はありません。

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就活が大変だと言われるようになったのは最近のことではなく、相当昔から同じことが言われているにもかかわらず、就活の偏差値とか、就活の合否判定テストなどというものを私は見たことがありません。受験の時のように誰もが利用するほど一般的にならないのはそれが絶対的な尺度になりえないからです。受験の時には受験科目の偏差値を上げることで努力の成果を確認出来たのですが、就活ではそういった指標がたくさんあるので、自分には何があって、何がないのか、事前に把握するためのステップが大事なのです。
 


環:鏡よ、鏡よ、私の欠点って何かしら?
鏡:……。

イラスト / たかはし たまき