もし就活学生がマーケティングを勉強したら 6 就活市場をまずマクロな視点で
眺めることが必要

(2012.07.17)

就活は市場取引だといいました。その市場を取り巻く環境がどうなっているのか、きちんと理解しておく必要があります。ここでいう環境とは動物や自然を取り巻く環境ではありません。就活の当事者である企業と学生を取り巻くマーケティング環境といういい方をします。

マーケティング環境は二つ、マクロ環境とミクロ環境に分けられます。就活におけるマクロ環境というのは企業の採用や学生の就活行動に影響を及ぼす世の中の動きがどうなっているか、今後どうなっていきそうか、ということです。皆さん、「風が吹けば桶屋がもうかる」ということわざがありますよね。(「知らない」という人はすぐに調べてください。) 就活はその時々で様々な世の中の動きに影響を受けます。

たとえば人口が増える、あるいはGDPなどの指標でみられる経済活動が拡大している局面では企業も積極的に事業を拡大させようと考えるでしょうから採用数も拡大することが見込まれます。一方、日本は今「少子・高齢化」が進んでいるといわれます。人口が減っていけば経済活動もそれに伴って低調になっていきますし、特に子供に関わるビジネスは痛手をこうむることになります。それにより大学を含めた教育産業はまさに厳しい競争に直面するようになりました。今、大学の広告というのは当たり前になっていますが、皆さんのお父さんやお母さんの頃には一部の知名度の低い大学でしか見られませんでしたし、オープンキャンパスなどというイベントもほとんどありませんでした。

就活を取り巻くマクロ環境を把握しておくことで、どこらへんの就活が厳しそうか、あるいはそうでもないか、といった予測をして行動することで、就活の準備を効率的に進めることができるようになります。

「でもそんな分析、難しそう…。私、経済なんか嫌いだから社会学部にしたのに。」と環サン、思っているかもしれません。でもそんなに難しい経済学が必要なわけではありませんし、政治や文化なども関わってきます。

「だから新聞を読めっていうんでしょう。オレ、現代文が苦手だから理工学部にしたのに。」樹クン、正解です。新聞は世の中を俯瞰的に眺めるのには非常に優れた教材です。新聞などのメディアの活用方法については少しずつ説明していきますね。


環:わー、すっごい眺め!樹くんもこっちへおいでよ!!
樹:オレ、高所恐怖症だっつーの。

イラスト / たかはし たまき